※本記事は2023年3月期決算発表時点の情報を元に作成してます
はじめに
結論
当サイト独断判定:B+(組み入れを検討したい)
配当水準 : Aー
利回り3%台(執筆時点)で過去10年以上連続増配中で減配無し。配当方針は配当性向40%以上をベースに可能な限り連続増配する方針に見える。直近配当性向も40%台と無理の無い水準。
財務指標 : B
売上は過去10年増加傾向。営業利益率は6%台とやや低め。自己資本比率は50%台と良好で営業キャッシュフローは過去10年プラスも、現金資産は直近配当の約3年分と若干心許ない。
事業内容 : Aー
地政学的リスクと若年層への依存度は低め。景気敏感性は高いが、海外依存度は顧客分散により抑えられているため欧米景気の悪化によるリスクは限定的と考える。
配当水準
- 配当利回り:3.7% (24年3月期予想)※執筆時点の株価ベース
若干物足りないですが、日本株で高配当と言われる水準の3%は上回っていますので合格点です。
- 配当性向:41.1%(24年3月期予想)
- 配当金(絶対額): 過去10年以上連続増配(減配無し)
配当金は過去10年で、24.55円から48円と少しずつではありますが減配無く連続増配しています。
配当方針は明確には記載してませんが、決算説明資料の説明と過去の実績からは配当性向40%以上をベースとしつつも可能な限り連続増配していく方針のように見えます。
実際に、2023年は下方修正もあり減益となりましたが、配当性向が57.1%まで上がっても1円増配を変更しませんでした。
直近の予想配当性向は40%台と無理のない水準で、一時的に配当性向が上がっても増配を継続する姿勢を考えると、今後も減配せずに緩やかに増配していくことが期待できるでしょう。
財務指標
- 売上 : 過去10年増加傾向(21年に一時減少)
2021年に一度減少していますが、それ以外は、2014年の約225億円から2023年の約350億円まで緩やかに安定して毎年増加しています。
- 営業利益率:6.1%(23年3月期実績)
過去10年では、7%~8%前後の営業利益率で推移していましたが、直近の2023年は電気代高騰により6%台まで下がっています。2024年は7.6%の予想となっていますが、それでも「情報・通信」業種としても一般的にも若干物足りない営業利益率と考えます。
- 自己資本比率:53.9%(23年3月期実績)
50%を越えており比較的優秀な自己資本比率となっています。今後金利が上昇した際は減益・減配のリスクは若干ありますが、倒産するリスクは低いでしょう。
- フリーキャッシュフロー:直近10年でマイナスは2回
- 直近配当の約3年分(23年3月期実績)
ここ10年でフリーキャッシュフローのマイナスが2回ありますが、営業キャッシュフローはプラスを10年以上キープしています。
現金は2023年時点で約23億円の残高があり、これは直近配当実績の約3年分と若干心許ない金額です。
営業キャッシュフローはプラスを10年以上キープしていますが、現金残高が配当と比較すると少な目で今後何らかの要因で一時的に利益が減少した際の減配リスクには注意が必要です。
事業内容
- 海外事業比率:情報なし
- 地政学的リスクがある国・地域での事業:情報なし
データセンターでの情報処理サービスとシステム開発が主な事業になっています。
決算資料やホームページ等で海外での事業についての記述は見つけられませんでしたので、海外事業はほぼ無いと考えて良いでしょう。
顧客の中には地政学的リスクや海外事業依存度が高い企業も存在するとは思いますが、石油販売・勘定系・情報・金融系、クレジットカード業務、IT管理等に比較的幅広い業態向けにサービス提供しているため、そのリスクはある程度分散されていると思われます。
そのため、地政学的リスクは比較的小さく、今後海外の景気が悪くなった場合のインパクトも抑えられると思われます。
- 若年層依存度:低い
業態的に顧客のビジネスに依存すると考えられますが、先ほども述べたように顧客の業態はそれなりに分散しており、特定の年齢層への偏りも低い考えます。そのため、今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少ないと思われます。
- 景気敏感性:高い
顧客企業の景気敏感性に左右される業態ですが、ベータ値は執筆時点で「0.87」であり景気敏感性はそこそこ高いと考えます。しかし、顧客の業態はそれなりに分散しており欧米の景気悪化時のリスクは限定的でしょう。
まとめ
「配当水準」は良好ですが、「財務指標」では営業利益率が低めで現金残高も直近配当に比べて若干心許ありません。
「事業内容」は地政学的リスクは低く、景気敏感性は中程度ですが海外事業への依存度が分散されているため、欧米の景気が悪化した際の減益・減配のリスクは抑えられるでしょう。
減配リスクは少なからず存在しますが、財務良好で倒産リスクも小さいため、長期的に安定した高配当が期待できるため高配当投資の一角として検討に値するでしょう。
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