決算サマリ
2023年8月4日に朝日ネット(3834)が2024年3月期1Q(4~6月)の決算を発表しました。ポイントは以下の通りです。
- 売上は、会社通期予想の範囲内(計画通り進捗)
- 利益は、会社通期予想を下回るペースで進捗
- 通期計画・配当予想は変更無し
この結果を踏まえて、当サイトの判定は「A」(積極的に組み入れを検討)で変更ありません。引き続き高配当銘柄として安定した配当が期待できるでしょう。
以下、それぞれ細かく見ていきます。
売上は会社通期予想の範囲内
売上は、下記表のように通期の会社予想に対する進捗率は24%となっています。
2024年 通期予想 | 2024年1Q | 進捗率 | |
(百万円) | (百万円) | % | |
売上 | 12,600 | 3,029 | 24.0% |
営業利益 | 2,000 | 378 | 18.9% |
経常利益 | 2,000 | 387 | 19.4% |
純利益 | 1,400 | 264 | 18.9% |
過去4年間の1Q売上の通期に対する割合も、下記のように概ね24%台となっており、今期もこの割合で推移すると考えると、概ね会社計画通りの進捗と考えて良いでしょう。
1Q | 2Q | 3Q | 通期 | ||
2020年3月期 | 売上 | 2,534 | 5,067 | 7,612 | 10,265 |
年間比率 | 24.7% | 49.4% | 74.2% | 100.0% | |
2021年3月期 | 売上 | 2,777 | 5,578 | 8,441 | 11,351 |
年間比率 | 24.5% | 49.1% | 74.4% | 100.0% | |
2022年3月期 | 売上 | 2,820 | 5,693 | 8,592 | 11,577 |
年間比率 | 24.4% | 49.2% | 74.2% | 100.0% | |
2023年3月期 | 売上 | 3,029 | 6,045 | 9,087 | 12,170 |
年間比率 | 24.9% | 49.7% | 74.7% | 100.0% | |
2024年3月期 | 売上 | 3,029 | – | – | 12,600※ |
年間比率 | 24.0% | – | – | 100.0% |
利益は会社通期予想を下回るペースで進捗
下記表のように通期の会社予想に対する各利益の進捗率は約19%となっています。
2024年 通期予想 | 2024年1Q | 進捗率 | |
(百万円) | (百万円) | % | |
売上 | 12,600 | 3,029 | 24.0% |
営業利益 | 2,000 | 378 | 18.9% |
経常利益 | 2,000 | 387 | 19.4% |
純利益 | 1,400 | 264 | 18.9% |
過去4年間の1Q営業利益の通期に対する割合は、下記のように概ね25%前後となっており、それと比較すると今期の約19%という進捗率は、各四半期の割合が例年と同様であると仮定すると会社計画を下回るペースと考えて良いでしょう。
1Q | 2Q | 3Q | 通期 | ||
2020年3月期 | 営業利益 | 394 | 797 | 1,146 | 1,606 |
年間比率 | 24.5% | 49.6% | 71.4% | 100.0% | |
2021年3月期 | 営業利益 | 406 | 768 | 1,213 | 1,690 |
年間比率 | 24.0% | 45.4% | 71.8% | 100.0% | |
2022年3月期 | 営業利益 | 450 | 944 | 1,439 | 1,834 |
年間比率 | 24.5% | 51.5% | 78.5% | 100.0% | |
2023年3月期 | 営業利益 | 494 | 898 | 1,366 | 1,841 |
年間比率 | 26.8% | 48.8% | 74.2% | 100.0% | |
2024年3月期 | 営業利益 | 378 | – | – | 2,000※ |
年間比率 | 18.9% | – | – | 100.0% |
営業利益率をみても、下記のように過去4年間の15%~16%前後と比べて、今期は12.5%に低下していることがわかります。
1Q | 2Q | 3Q | 通期 | ||
2020年3月期 | 営業利益率 | 15.5% | 15.7% | 15.1% | 15.6% |
2021年3月期 | 営業利益率 | 14.6% | 13.8% | 14.4% | 14.9% |
2022年3月期 | 営業利益率 | 16.0% | 16.6% | 16.7% | 15.8% |
2023年3月期 | 営業利益率 | 16.3% | 14.9% | 15.0% | 15.1% |
2024年3月期 | 営業利益率 | 12.5% | – | – | 15.9%※ |
これは、下記決算短信に記載のあるように、ネットワーク構成変更のための「一時的な通信費と業務委託費」と昨年度リリースしたサービスの「売上原価と減価償却費」によって売上原価が増加したことと、広告宣伝のための費用で販管費が増加したことが要因とみられます。
このうち、ネットワーク構成変更の費用は一時的なものであり、広告宣伝の費用も契約数が目標に達すれば抑制されると思われますのでそれほど気にするものではないと考えます。
一方、新サービスの「売上原価と減価償却費」については、ある程度継続して発生すると思いますが、これがどの程度の比率を占めるかは不明のため、2Q以降の営業利益率の推移により影響度合いを確認していく必要がありそうです。
通期計画・配当予想は変更無し
以上のように、各利益が計画と比べて低い結果となりましたが、通期計画・配当予想は変えていません。
まだ1Qであることと、利益の落ち込みについては一時的な要因が大きいと判断しているのではと思われます。
まとめ
1Q時点では、売上は概ね会社計画通りの進捗となっていますが、各利益の進捗は会社計画を下回るペースとなっていることが確認できました。
しかしながら、利益の落ち込み要因は一時的なものも多いとみられるため、2Q以降に利益率が回復する可能性も十分あるでしょう。
仮に通期計画を達成できなかったとしても、配当方針が金額ベースであり現金資産も十分あるため減配となるリスクは低いと考えますので、高配当株投資に適した銘柄であることに変わりはないでしょう。
より詳細な銘柄情報については、以下記事も併せて参照ください。
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