決算サマリ
2023年7月31日に、日東富士製粉(2003)が2024年3月期1Q(4~6月)の決算を発表しました。ポイントは以下の通りです。
- 売上/営業・経常利益は、会社通期予想の範囲内(計画通り進捗)
- 純利益は、評価損により会社通期予想を下回るペースで進捗
- 通期計画・配当予想は変更無し
この結果を踏まえて、当サイトの判定は「Aー」(前向きに組み入れを検討)で変更ありません。引き続き高配当銘柄として安定した配当が期待できるでしょう。
以下、それぞれ細かく見ていきます。
売上/営業・経常利益は会社通期予想の範囲内
売上/営業・経常利益は、下記表のように通期の会社予想に対する進捗率は約24%となっています。
2024年 通期予想 | 2024年1Q | 進捗率 | |
(百万円) | (百万円) | % | |
売上 | 74,000 | 17,929 | 24.2% |
営業利益 | 5,200 | 1,196 | 23.0% |
経常利益 | 5,500 | 1,345 | 24.5% |
純利益 | 4,000 | 684 | 17.1% |
過去4年間の1Q売上・営業利益の通期に対する割合も、下記のように概ね24%前後となっており、今期もこの割合で推移すると考えると、概ね会社計画通りの進捗と考えて良いでしょう。
1Q | 2Q | 3Q | 通期 | ||
2020年3月期 | 売上 | 14,074 | 27,951 | 43,713 | 57,544 |
年間比率 | 24.5% | 48.6% | 76.0% | 100.0% | |
2021年3月期 | 売上 | 13,615 | 27,307 | 42,651 | 56,544 |
年間比率 | 24.1% | 48.3% | 75.4% | 100.0% | |
2022年3月期 | 売上 | 14,236 | 28,163 | 44,191 | 59,340 |
年間比率 | 24.0% | 47.5% | 74.5% | 100.0% | |
2023年3月期 | 売上 | 16,458 | 33,127 | 52,276 | 69,540 |
年間比率 | 23.7% | 47.6% | 75.2% | 100.0% | |
2024年3月期 | 売上 | 17,929 | – | – | 74,000※ |
年間比率 | 24.2% | – | – | 100.0% |
1Q | 2Q | 3Q | 通期 | ||
2020年3月期 | 営業利益 | 1,268 | 2,171 | 3,885 | 4,568 |
年間比率 | 27.8% | 47.5% | 85.0% | 100.0% | |
2021年3月期 | 営業利益 | 1,073 | 2,145 | 3,659 | 4,539 |
年間比率 | 23.6% | 47.3% | 80.6% | 100.0% | |
2022年3月期 | 営業利益 | 1,087 | 2,098 | 3,575 | 4,404 |
年間比率 | 24.7% | 47.6% | 81.2% | 100.0% | |
2023年3月期 | 営業利益 | 1,181 | 2,355 | 4,163 | 5,299 |
年間比率 | 22.3% | 44.4% | 78.6% | 100.0% | |
2024年3月期 | 営業利益 | 1,196 | – | – | 5,200※ |
年間比率 | 23.0% | – | – | 100.0% |
純利益は会社通期予想を下回るペースで進捗
純利益は、下記表のように通期の会社予想に対する進捗率は約17%となっており、営業・経常利益に比べて低い進捗率となっています。
2024年 通期予想 | 2024年1Q | 進捗率 | |
(百万円) | (百万円) | % | |
売上 | 74,000 | 17,929 | 24.2% |
営業利益 | 5,200 | 1,196 | 23.0% |
経常利益 | 5,500 | 1,345 | 24.5% |
純利益 | 4,000 | 684 | 17.1% |
この理由は、「投資有価証券評価損を計上したこと」が主な理由としています。
この詳細についての記述は見つけられませんでしたが、保有している何らかの有価証券の価値が著しく下落したため損失として計上したものと思われます。
通期計画・配当予想は変更無し
売上/営業・経常利益は概ね会社計画通り進捗している一方、純利益が評価損により計画を下回るペースの進捗となっている状況ですが、会社としては通期計画・配当予想は変えていません。
これは、純利益の減少は評価損による一時的なものであり、まだ1Qであり2Q以降でカバーできる可能性があると考えているからと思われます。
ただ、2Q以降も純利益の進捗が悪い場合は下方修正となる可能性もあります。その場合は配当方針が配当性向ベースのため減配も考えられますが、過去10年減配していないためそのリスクはそれほど高くはないと考えます。
まとめ
売上/営業・経常利益の進捗は順調ですが、純利益が評価損により会社計画を下回るペースとなっていることが1Qの結果から確認できました。
今後の純利益の進捗によっては下方修正もあり得ますが、過去10年減配が無いことを考えると減配リスクはそれほど高くはななく、高配当株投資に適した銘柄であることに変わりはないでしょう。
より詳細な銘柄情報については、以下記事も併せて参照ください。
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