決算サマリ
2023年8月2日に、中部鋼鈑(5461)が2024年3月期1Q(4~6月)の決算を発表しました。ポイントは以下の通りです。
- 売上は、会社通期予想の範囲内(計画通り進捗)
- 利益は、会社通期予想を上回るペースで進捗
- 通期計画・配当予想は変更無し
この結果を踏まえて、当サイトの判定は「Aー」(前向きに組み入れを検討)で変更ありません。引き続き高配当銘柄として安定した配当が期待できるでしょう。
以下、それぞれ細かく見ていきます。
売上は会社通期予想の範囲内
売上は、下記表のように通期の会社予想に対する進捗率は約27%となっています。
2024年 通期予想 | 2024年1Q | 進捗率 | |
(百万円) | (百万円) | % | |
売上 | 70,600 | 19,036 | 27.0% |
営業利益 | 10,100 | 3,398 | 33.6% |
経常利益 | 9,600 | 3,470 | 36.1% |
純利益 | 6,500 | 2,445 | 37.6% |
過去4年間の1Q売上の通期に対する割合も、下記のように概ね20%台となっており、今期もこの割合で推移すると考えると、概ね会社計画通りの進捗と考えて良いでしょう。
1Q | 2Q | 3Q | 通期 | ||
2020年3月期 | 売上 | 12,229 | 23,623 | 34,620 | 44,474 |
年間比率 | 27.5% | 53.1% | 77.8% | 100.0% | |
2021年3月期 | 売上 | 8,983 | 18,178 | 28,853 | 40,327 |
年間比率 | 22.3% | 45.1% | 71.5% | 100.0% | |
2022年3月期 | 売上 | 12,649 | 26,643 | 44,361 | 64,399 |
年間比率 | 19.6% | 41.4% | 68.9% | 100.0% | |
2023年3月期 | 売上 | 21,095 | 39,297 | 58,066 | 76,320 |
年間比率 | 27.6% | 51.5% | 76.1% | 100.0% | |
2024年3月期 | 売上 | 19,036 | – | – | 70,600※ |
年間比率 | 27.0% | – | – | 100.0% |
利益は会社通期予想を上回るペースで進捗
各利益は、下記表のように通期の会社予想に対する進捗率は35%前後となっており通期計画の三分の一程度を既に達成している状況です。
これにより、営業利益率も前年同期の12.1%から17.9%に増加しています。
2024年 通期予想 | 2024年1Q | 進捗率 | |
(百万円) | (百万円) | % | |
売上 | 70,600 | 19,036 | 27.0% |
営業利益 | 10,100 | 3,398 | 33.6% |
経常利益 | 9,600 | 3,470 | 36.1% |
純利益 | 6,500 | 2,445 | 37.6% |
この理由は、「スクラップ下落も電力価格上昇等でコストは高止まり、販売価格上昇で利益率改善」としています。
下記決算補足資料に詳細な数値が記載されており、鉄スクラップ価格は下落したものの、その寄与分は製造コスト上昇と販売減少でほぼ相殺されましたが、販売単価上昇分がほぼそのまま利益増加に寄与した形になっています。
通期計画・配当予想は変更無し
各利益は大きく増加しており、経常利益/純利益は1Qで年間計画の三分の一程度を達成している状況ですが、会社としては通期計画・配当予想は変えていません。
これは、売上は会社予想通りの進捗率であることと、まだ1Qであり現時点では通期の業績への影響を判断できないためと思われます。
ただ、今後2Q以降もこのまま順調であれば、どこかのタイミングで上方修正してくる可能性は十分あるでしょう。
その場合、配当方針は配当性向ベースのため、配当予想の上方修正も十分期待できると考えます。
まとめ
売上の進捗は順調であり、利益は販売単価上昇により通期予想を上回るペースで進捗していることが1Qの結果から確認できました。
上方修正は2Q以降の業績次第かと思われますが、少なくとも会社計画を下振れするリスクはかなり下がったと言えますので、今後も安定した高配当が期待できる結果と言えるでしょう。
より詳細な銘柄情報については、以下記事も併せて参照ください。
これから国内高配当株投資を始める方へ
高配当株式投資は、財務体質がしっかりした安定配当が期待できる企業への分散投資が重要です。分散を十分に効かせるためには最低でも数十社に分散させることが望ましいです。
そこで問題になってくるのが、「単元株数」です。
株式は、各銘柄ごとに100株/口等の売買の最低限の単元株数が決まっています。そのため、1回取引するたびに、最低でもこの単元株数分の株式を購入する必要があります。例えば、1株1000円で単元株数が100の株式であれば、1回の取引で最低でも1000円x100=10万円分購入する必要があります。
そのため、分散のため数十社分の株式を購入するとなると、1回で最低でも数百万円ぐらい必要になってきます。これでは、資産がまだそれほど多くない場合は心理的に購入を躊躇してしまいますし、時間を分散して何回かに分けて投資することも難しいでしょう。
そこで、おすすめなのがこの単元株数に満たなくても1株から購入できる単元未満株取引です。執筆時点でこの単元未満株取引に対応している国内ネット証券は「SBI証券」、「マネックス証券」、「楽天証券」、「auカブコム証券」の4社になります。
なかでも「SBI証券」、「マネックス証券」は買付時の手数料/スプレッドが「無料」のため特におすすめです。※売却時は一定の手数料が発生します