※本記事は2023年3月期決算発表時点の情報を元に作成してます
はじめに
結論
当サイト独断判定:B+(組み入れを検討したい)
配当水準 : B+
利回り4%台(執筆時点)で過去10年で減配1回あるも増配傾向。直近の配当性向は60%台後半で高めだが、配当方針が直近配当予想と同額での金額固定(70円)のため大きな減配リスクは低い。
財務指標 : B-
売上は過去10年連続して増加。営業利益率は8%台で比較的良好も減少傾向。自己資本比率は70%弱と優秀。営業キャッシュフローは2016年以降プラスも、近年に減少し直近はマイナス。現金残高も直近配当の約2年分と非常に心許ない。
事業内容 : A
若干の地政学的リスクはあるが、若年層に依存しない国内中心のビジネスで景気敏感性も低い。どちらかと言えば高齢層がメインの顧客層のため今後の需要増加も期待。
配当水準
- 配当利回り:4.4% (24年3月期予想)※執筆時点の株価ベース
日本株で高配当と言われる水準の3%を大きく上回っていますので文句なく合格点です。
- 配当性向:68.0%(24年3月期予想)
- 配当金(絶対額): 過去10年以上増加傾向(減配1回)
配当金は2015年に一度減配がありますが、過去10年で22円から70円と増え続けています。
また、配当方針について、これまでは配当性向ベース(50%)だった方針を2023年から金額固定(70円)配当の方針に変更してます。
配当性向は60%台で高めですが、方針が直近予想と同額の金額固定であり今後も減配せずに安定配当の維持を十分期待できるでしょう。
財務指標
- 売上 : 過去10年連続増加
2014年の約109億円から2023年の約259億円まで一度も減少せずに毎年増加しています。
- 営業利益率:8.18%(23年3月期実績)
2021年までは12%前後で推移していましたが、2022年から減少してきており直近は8%台となっております。「サービス業」業種の営業利益率は7%程度ですので、そこは上回っており一般的にもまだ良好な営業利益率ですが、今後の利益率の推移には注意が必要です。
- 自己資本比率:69.4%(23年3月期実績)
70%弱の高い自己資本比率となっており、今後金利が上昇しても、それによる倒産や減益・減配のリスクは低いでしょう。
- フリーキャッシュフロー:直近10年でマイナス4回
- 現金資産:直近配当の約2年分(23年3月期実績)
ここ10年でフリーキャッシュフローはマイナスが4回、営業キャッシュフローは2016年以降プラスをキープしていましたが、2022年に大きくフローが減少し直近の2023年はマイナスとなっております。
これはレンタル資産の取得費の増加等が要因のように見え、営業収入の減少によるものではないためそこまで問題ではないかもしれませんが、現金資産の減少には注意が必要です。
実際、現金残高は2023年時点で約15億円であり、これは直近配当実績の約2年分と非常に心許ない金額です。
直近のフローが減少し、現金資産も減少傾向となっており残高も配当と比較して少ないため、今後景気悪化等で一時的に利益が減少した際の減配リスクには注意が必要です。
事業内容
- 海外事業比率:情報なし
- 地政学的リスクがある国・地域での事業:中国(現地企業に出資)
主な事業内容は、電動ベッド、車いす等の福祉用具のレンタル・卸販売となっております。
決算資料等で海外での事業についての記述は見つけられず、ホームページにも海外拠点の情報が無いため海外事業はほぼ無いと考えて良いでしょう。ただ、2019年に中国の法人に出資したとの記事がありましたので、売上は大きくないと思いますが若干の地政学的リスクはありそうです。
それ以外の海外事業の情報は見つけられず、欧米での事業はほぼ無いと考えて良いでしょう。そのため、今後欧米の景気が悪くなった場合のインパクトも小さいと思われます。
- 若年層依存度:なし
事業内容が福祉用具のレンタル・卸販売となっており、高齢層が比較的中心となるビジネスのため、今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少なく、逆に売上増加も期待できるでしょう。
- 景気敏感性:低い
ベータ値は執筆時点で「0.42」であり景気敏感性は低いと考えます。そのため、今後景気が悪化した場合の影響は抑えられるでしょう。
まとめ
「配当水準」は、利回り良好で配当方針も金額ベースですが、配当性向が高く「財務指標」で現金残高が直近配当に比べて心許なく、減配リスクに注意が必要です。
「事業内容」では中国の地政学リスクが若干ありますが、それ以外は問題ありません。むしろ国内事業が中心で高齢層がメインの顧客層のため今後の需要増加も期待できるでしょう。
減配リスクには一定の注意が必要ですが、自己資本比率は良好で倒産リスクも小さく、基本的には安定した高配当が期待できるため高配当株投資の一角として検討に値するでしょう。
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