住友林業 (1911)

銘柄情報

当サイトに掲載されている投資に関する見解は、個人の主観・感想を元に作成したものであり、特定の銘柄・金融商品の勧誘や上昇・下降を予想/示唆するものでもありません。また、運用成果や投資収益を保証するものではありません。最終的な投資の意思決定はご自身の責任と判断でお願いします

※本記事は2023年12月期1Q決算発表時点の情報を元に作成してます

はじめに

結論

当サイト独断判定B(組み入れを検討しても良い)

配当水準 : B+
利回り4%台(執筆時点)で過去10年増加傾向で減配も無し。配当性向は直近予想30%台で無理のない水準だが、配当性向ベースの方針に見えるのと、主力の北米住宅事業が景気動向次第で先行き不透明であるため、直近で大幅に増加した利益/配当金額を今後も維持できるのか注意が必要。

財務指標 : B+
売上は過去10年で上昇。営業利益率は直近9%台で業界平均以上だが24年は6%台に低下予想。自己資本比率は40%台で比較的良好。営業キャッシュフローは過去10年プラスで現金資産も十分

事業内容 : B
地政学的リスクは低いが、アメリカ事業の依存度が大きく景気敏感性も高いため、今後北米の景気が悪くなった場合のインパクトは大きいと想定。

配当水準


  • 配当利回り:4.2% (23年12月期予想)※執筆時点の株価ベース

日本株で高配当と言われる水準の3%を大きく上回っていますので文句なく合格点です。

  • 配当性向:32.4%(23年12月期予想)
  • 配当金(絶対額): 直近10年増加傾向(実質減配無し)

配当金は2013年以降10年間で17円から125円まで減配無く増加しています。(2020年に一度減額していますが、これは決算月の変更で9か月間の短縮決算となったためで実質的には減配ではありません)

配当方針は明記されていませんが、ここ数年は配当性向が20%前後で大きく変化していませんので、実質的に20%程度の配当性向ベースの方針に見えます。ただ、23年予想は配当性向を30%台にあげて22年と同額を維持してますので、今後も継続して配当性向を30%程度に据え置く可能性はあります。

2017年~2020年は35円~40円の間でほぼ横ばいでしたが、2021年は80円、2022年は125円と急速に増加しています。配当性向はその間ほぼ20%台で大きな変化はありませんでしたので、純粋に北米住宅事業を中心に利益が大幅に増えたことがその理由です。

2023年は昨今のインフレと金利の上昇により北米住宅事業の先行きは不透明さがあり減益予想となっていますが、減益でも配当金額は前年と同額予想としています。

配当性向も30%台前半とまだ低めですのですぐに減配することは無いと思いますが、配当性向ベースの配当方針に見えるため、直近で大幅に増加した利益水準を維持できなくなった場合の減配リスクには注意が必要です。

財務指標


  • 売上 : 過去10年で大きく上昇

2014年からの10年間で約9700億円から約1兆6000億円に大きく増加しています。2020年に一時的に減少しましたが回復しています。

  • 営業利益率:9.48%(22年12月期実績)

2014年の3.43%から上下しながらも増加しており直近の2022年実績では9.48%まで増加しています。

2023年は6.35%まで低下予想ですが、建設業の平均が5%前後と言われていますので業界平均からするとまだ比較的良好な数値でしょう。

  • 自己資本比率:40.8%(22年12月期実績)

40%を越えていますので、優秀とまでは言えませんが問題無いレベルです。今後金利が上昇した際に減益・減配のリスクはありますが、倒産するリスクは低いでしょう。

  • フリーキャッシュフロー:直近10年でマイナス4回
  • 現金資産:直近配当の約7年分(22年12月期実績)

ここ10年でフリーキャッシュフローがマイナスが4回ありますが、営業キャッシュフローは全てプラスになっています。

現金は2022年時点で約1400億円の残高があり、これは直近配当実績の約7年分と十分な金額です。

営業キャッシュフローはプラスを10年以上キープしており現金残高も十分ありますので景気悪化等で一時的に利益が減少した際も、しばらくは現金資産を取り崩して配当を維持することは可能でしょう。

事業内容


  • 海外事業比率:54.7%
  • 地政学的リスクがある国・地域での事業:中国

事業内容としては山林から製造・加工した木材の販売と住宅販売が中心です。地政学リスクとしては、決算短信の中にニュージーランドから原木を中国に販売しているとの記述がありましたが、海外事業の45.3%が北米事業のためその比率はかなり低いと考えて良いでしょう。

ただし、北米事業の依存度が大きいため今後海外の景気が悪くなった場合のインパクトは大きいと思われます。

  • 若年層依存度:なし

木材の販売と住宅販売が主な事業であり、若年層に偏ったビジネスではないため、今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少ないと考えられます。

  • 景気敏感性:高い

業種分類としては景気敏感性は中程度の「建設業」に該当しますが、ベータ値は執筆時点で「1.40」であり景気敏感性は高いと考えます。そのため、今後景気が悪化した場合の影響は大きいと想定します。

まとめ

「配当水準」は良好で「財務指標」も問題はありません。

「事業内容」で米国への依存が大きく景気敏感性も高いため、今後欧米の景気が悪化した際の減益・減配のリスクに注意が必要です。

ただし、財務良好で倒産リスクも小さいため、基本的には安定した高配当が期待できるため高配当投資の一角として検討しても良いでしょう。

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