蔵王産業(9986)

銘柄情報

当サイトに掲載されている投資に関する見解は、個人の主観・感想を元に作成したものであり、特定の銘柄・金融商品の勧誘や上昇・下降を予想/示唆するものでもありません。また、運用成果や投資収益を保証するものではありません。最終的な投資の意思決定はご自身の責任と判断でお願いします

※本記事は2023年3月期決算発表時点の情報を元に作成してます

はじめに

結論

当サイト独断判定A(前向きに組み入れを検討)

配当水準 : Aー
利回り4%台(執筆時点)で過去10年増配傾向。配当性向は50%台で若干高めだが配当方針が直近配当予想と同額の金額ベース(100円)であることと財務状況を考慮すると問題無いレベル。

財務指標 : Aー
直近に大幅増加した売上の継続性には注意が必要だが、営業利益率は14%台で高く、自己資本比率は80%台で有利子負債ゼロで非常に優秀。キャッシュフローは過去10年プラスで現金資産はかなり余裕あり

事業内容 : Aー
若干の地政学的リスクはあるが、若年層に依存しない国内中心のビジネス景気敏感性も低い

配当水準


  • 配当利回り:4.3% (24年3月期予想)※執筆時点の株価ベース

日本株で高配当と言われる水準の3%を大きく上回っていますので文句なく合格点です。

  • 配当性向:55.4%(24年3月期予想)
  • 配当金(絶対額): 過去10年以上増加傾向(減配は2021年のみ)

配当金は過去10年で減配が1回ありますが、46円から109円(うち特別配当9円)と増加傾向です。特に直近の22年と23年は利益増加もあり大幅に増加しています。

また、配当方針について、これまでは配当性向ベース(40%)だった方針を2023年から金額ベース(100円)配当の方針に変更してます。

配当性向は50%台で余裕があるとは言えませんが、配当方針が直近配当予想と同額の金額ベースであり後述の財務面も考慮すると、今後も減配せずに安定配当の維持を十分期待できるでしょう。

財務指標


  • 売上 : 過去10年横這い傾向(直近2年で急増)

2014年以降2021年までは70億円前後で横ばいでしたが、2022年に約89億円、2023年は約96億円と売上が急増しています。これは決算資料をみるとコンシューマー向けの家庭用リンサーや高圧洗浄機の販売の増加が大きく寄与しているように見えます。

この増加した売上を今後も維持できるか見極めが必要ですが、仮に2021年の売上レベルに戻ってしまったとしてもEPSはまだ100円以上あり、金額固定(100円)の配当方針が変わらない限りは大きな減配の可能性は低いでしょう。

  • 営業利益率:14.28%(23年3月期実績)

14~15%程度の高い営業利益率を10年以上キープしています。「卸売業」業種の中でも上位になりますので優秀な利益率と考えます。

  • 自己資本比率:87.1%(23年3月期実績)

80%を越えた非常に高い自己資本比率となっており、有利子負債ゼロの無借金経営になっています。今後金利が上昇しても、それによる倒産や減益・減配のリスクは全く無いでしょう。

  • フリーキャッシュフロー:直近10年プラス
  • 現金資産:直近配当の約16年分(23年3月期実績)

ここ10年でフリーキャッシュフロー、営業キャッシュフローともにプラスとなっています。

現金は2023年時点で約72億円の残高があり、これは直近配当実績の約16年分と非常に余裕がある金額です。

景気悪化等で一時的に利益が減少した際も、現金資産を取り崩して配当を維持することが可能でしょう。

事業内容


  • 海外事業比率:情報なし
  • 地政学的リスクがある国・地域での事業:中国(仕入先)

事業内容は、国内外で同社仕様で製作させた清掃機器、洗浄機器等の輸入・販売となっています。

決算資料等で海外での事業についての記述は見つけられませんでしたが、ホームページにも海外事業や拠点の情報が無いため海外事業はほぼ無いと考えて良いでしょう。そのため、今後海外の景気が悪くなった場合のインパクトの幅も小さいと思われます。

ただし、決算情報やホームページからは記載見つけられなく確実な情報ではありませんが、一部中国のメーカーから仕入れている製品もある模様です。そのため、地政学的リスクはゼロではありませんが、仕様を同社が決めているのであれば有事の際のメーカー切替等の対応は比較的取りやすいかと思われます。

  • 若年層依存度:なし

事業内容が清掃機器、洗浄機器等の輸入・販売となっており、特定の年齢層をターゲットとしたビジネスではないため、今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少ないと考えられます。

  • 景気敏感性:低い

ベータ値は執筆時点で「0.49」であり景気敏感性は低いと考えます。そのため、今後景気が悪化した場合の影響は抑えられるでしょう

まとめ

「配当水準」「財務指標」「事業内容」ともに特に大きな問題はなく高配当株式投資に適した内容となっています。

直近で大幅に増加した売上を今後も維持できるかは注意が必要で、若干の地政学的リスクもありますが基本的に問題はなく、よほどのことがない限り今後も安定した高配当を維持することが期待できるでしょう。

これから国内高配当株投資を始める方へ

高配当株式投資は、財務体質がしっかりした安定配当が期待できる企業への分散投資が重要です。分散を十分に効かせるためには最低でも数十社に分散させることが望ましいです。

そこで問題になってくるのが、「単元株数」です。

株式は、各銘柄ごとに100株/口等の売買の最低限の単元株数が決まっています。そのため、1回取引するたびに、最低でもこの単元株数分の株式を購入する必要があります。例えば、1株1000円で単元株数が100の株式であれば、1回の取引で最低でも1000円x100=10万円分購入する必要があります。

そのため、分散のため数十社分の株式を購入するとなると、1回で最低でも数百万円ぐらい必要になってきます。これでは、資産がまだそれほど多くない場合は心理的に購入を躊躇してしまいますし、時間を分散して何回かに分けて投資することも難しいでしょう。

そこで、おすすめなのがこの単元株数に満たなくても1株から購入できる単元未満株取引です。執筆時点でこの単元未満株取引に対応している国内ネット証券は「SBI証券」、「マネックス証券」、「楽天証券」、「auカブコム証券」の4社になります。

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