※本記事は2023年3月期決算発表時点の情報を元に作成してます
はじめに
結論
当サイト独断判定:Aー(前向きに組み入れを検討)
配当水準 : Aー
利回り5%台(執筆時点)で過去10年増配傾向で減配も無し。配当方針は配当性向ベース(40%前後)だが、直近配当性向は40%台と無理の無い水準であり、過去減配がない実績を考慮すると大きな減配のリスクは低い。
財務指標 : B+
ここ数年売上は横ばい傾向。営業利益率は9%台で良好で自己資本比率は60%台で優秀。キャッシュフローが若干不安定も、直近の現金資産は十分余裕あり。
事業内容 : Aー
若年層依存度は低い。中国に営業拠点が存在するが事業比率が低く、製造拠点は無いため地政学リスクは限定的。欧米事業の比率も低く景気敏感性も低いため、今後欧米の景気が悪くなった場合のインパクトも低いと考える。
配当水準
- 配当利回り:5.0% (24年3月期予想)※執筆時点の株価ベース
日本株で高配当と言われる水準の3%を大きく上回っていますので文句なく合格点です。
- 配当性向:39.1%(24年3月期予想)
- 配当金(絶対額): 過去10年以上増加傾向(減配無し)
配当金は過去10年で15円から68円まで増加傾向で減配もありません。特に直近2年間は30%以上の増配となっています。これは利益が増えたことと、配当性向を引き上げたことが原因です。
配当方針は配当性向ベース(40%前後)となっています。
直近の配当性向が40%台で無理の無い水準であり、過去減配も無いことから今後も大きな減配はせずに安定した配当を十分期待できるでしょう。
財務指標
- 売上 : 過去10年で横這い傾向
2014年の約256億円から2023年の約296億円と若干の増加はしていますが、2016年以降は300億円前後での横ばい傾向となっています。
- 営業利益率:9.62%(23年3月期実績)
2014年の4%から2023年の9.62%まで上昇傾向にありますが、2024年は8%台に低下予想となっています。「卸売業」業種の平均である3%前後と比較しても、一般的にも良好な営業利益率と考えます。
- 自己資本比率:63.0%(23年3月期実績)
60%を越えた高い自己資本比率となっており、今後金利が上昇しても、それによる倒産や減益・減配のリスクは低いでしょう。
- フリーキャッシュフロー:直近10年でマイナス2回
- 現金資産:直近配当の約8年分(23年3月期実績)
ここ10年でフリーキャッシュフロー、営業キャッシュフローともにマイナスが2回あります。
現金は2023年時点で約55億円の残高があり、これは直近配当実績の約8年分と余裕がある金額です。
キャッシュフローが若干不安定なため今後の現金残高の推移にある程度の注意が必要ですが、現時点では十分な現金残高があるため、景気悪化等で一時的に利益が減少した際も、現金資産を取り崩して配当を維持することが可能でしょう。
事業内容
- 海外事業比率:9.1%
- 地政学的リスクがある国・地域での事業:中国(最大7.4%)
主な事業内容は、ジルコンサンド等の鉱物/金属や破砕機等の産業機器の輸出入&販売となっています。
ホームページに中国の営業拠点が1か所ありますが、売上比率も最大でも「アジア」地域の7.4%であり、商社のため製造拠点はなく地政学的リスクは低いでしょう。
北米の事業比率も0.1%と低く、欧州を含む「その他」地域の事業比率も1.6%であり、今後海外の景気が悪くなった場合のインパクトの幅も小さいと思われます。
- 若年層依存度:なし
事業内容が鉱物/金属や産業機器の輸出入&販売となっており、特定の年齢層をターゲットとしたビジネスではないため、今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少ないと考えられます。
- 景気敏感性:低い
ベータ値は執筆時点で「0.64」であり景気敏感性は低いと考えます。そのため、今後景気が悪化した場合の影響は抑えられるでしょう。
まとめ
「配当水準」は配当方針が配当性向ベースですが、配当性向も無理がない水準で過去減配も無いため減配リスクは低いでしょう。
「財務指標」はキャッシュフローが若干安定していない点は注意が必要ですが、他は問題ありません。
「事業内容」は若干の地政学的リスクがありますが、製造拠点はなく事業比率も低いため大きな問題は無いでしょう。
地政学的リスクには若干の注意が必要ですが、よほどのことがない限り今後も安定した高配当を維持することが期待できるでしょう。
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