※本記事は2023年3月期決算発表時点の情報を元に作成してます
はじめに
結論
当サイト独断判定:Aー(前向きに組み入れを検討)
配当水準 : Aー
利回り3%台(執筆時点)。過去10年増配傾向で実質減配無し。配当方針は配当性向ベース(40%以上)だが、直近配当性向は40%台で無理の無い水準であり、過去10年減配が無いことを考慮すると大きな減配のリスクは低い。
財務指標 : B+
売上は過去10年で増加傾向。営業利益率は直近7%台で業界平均以上で、自己資本比率も70%台と優秀。営業キャッシュフローは過去10年プラスで現金資産はそこそこあり。
事業内容 : A
海外事業比率も低く地政学的リスクもほぼ無し。若年層に依存しないビジネスで景気敏感性も低い。
配当水準
- 配当利回り:3.7% (24年3月期予想)※執筆時点の株価ベース
日本株で高配当と言われる水準の3%を上回っていますので合格点です。
- 配当性向:40.1%(24年3月期予想)
- 配当金(絶対額): 過去10年以上増加傾向(実質減配なし)
配当金は過去10年で50円から175円と増加傾向です。2015年に一度減配していますが、これは記念配当落ちの影響ですので実質的には減配と考えなくても良いでしょう。
また、配当方針は配当性向ベース(40%以上)としています。
配当方針が配当性向ベースのため、今後の減益時の減配には一定の注意が必要ですが、配当性向は無理がない水準で、過去10年間で実質的には減配が無いことも考慮すると今後も減配せずに安定配当の維持を十分期待できるでしょう。
財務指標
- 売上 : 過去10年増加傾向
2018年までは横ばい傾向でしたが、その後は右肩上がりに増加し、10年間で約501億円から約695億円まで増加しています。
- 営業利益率:7.62%(23年3月期実績)
過去10年で2014年の2.97%から2023年の7.62%まで増加していますが、2019年以降は横ばい傾向となっています。
「食料品」業種の平均の4%前後と比較しても、一般的にも比較的良好な営業利益率でしょう。
- 自己資本比率:74.7%(23年3月期実績)
70%を越えた高い自己資本比率となっており、今後金利が上昇しても、それによる倒産や減益・減配のリスクは低いでしょう。
- フリーキャッシュフロー:直近10年でマイナス2回
- 現金資産:直近配当の約5年分(23年3月期実績)
ここ10年でフリーキャッシュフローはマイナスが2回ありますが、営業キャッシュフローは常にプラスとなっています。現金は2023年時点で約79億円の残高があり、これは直近配当実績の約5年分と十分ではありませんがそこそこの金額となっております。
営業キャッシュフローはプラスを10年以上キープしており現金残高もそこそこあるため景気悪化等で一時的に利益が減少した際も、しばらくは現金資産を取り崩して配当を維持することは可能でしょう。
事業内容
- 海外事業比率:3.9%
- 地政学的リスクがある国・地域での事業:情報なし
事業内容は、パンや麺等の業務用製粉製品や家庭用小麦粉の製造・販売となっています。三菱商事の子会社で15%程度が親会社向けの売上になります。
海外事業の比率は3.9%と低いため、今後欧米の景気が悪くなった場合のインパクトの幅も小さいと思われます。
決算情報やホームページからは中国やロシアでの事業や拠点・関連会社の記述は見つけられなかったため、地政学的リスクはほぼ無いと考えます。
- 若年層依存度:なし
事業内容が業務用製粉製品や家庭用小麦粉の製造・販売となっており、特定の年齢層をターゲットとしたビジネスではないため、今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少ないと考えられます。
- 景気敏感性:低い
ベータ値は執筆時点で「0.35」であり景気敏感性は低いと考えます。そのため、今後景気が悪化した場合の影響は抑えられるでしょう。
まとめ
「配当水準」、「財務指標」、「事業内容」ともに特に大きな問題はなく高配当株式投資に適した内容となっています。
強いて言えば、配当方針が配当性向ベースで現金資産が豊富とまでは言えないので、減益時の減配リスクは若干ありますが、基本的に問題はなく、よほどのことがない限り今後も安定した高配当を維持することが期待できるでしょう。
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