※本記事は2023年3月期決算発表時点の情報を元に作成してます
はじめに
結論
当サイト独断判定:Aー(前向きに組み入れを検討)
配当水準 : Aー
利回り3%台(執筆時点)。過去10年増配傾向で減配無し。配当方針は配当性向ベース(30%)と思われるが、配当性向は直近30%台で余裕があり、過去10年減配していない事を考慮すると減配リスクは低い。
財務指標 : B+
直近10年で売上増加傾向も21年以降横ばい。営業利益率は業界平均以下の4%台。自己資本比率は50%台と良好。営業キャッシュフローは過去10年プラスで現金資産は極めて余裕がある状況。
事業内容 : Aー
若年層依存度は低い。中国拠点があるが顧客の多くは国内企業と考えられるため地政学リスクは限定的。米国拠点もあるが同様の理由と景気敏感性が低いため、今後欧米の景気が悪くなった場合のインパクトは低いと考える。
配当水準
- 配当利回り:3.7% (24年3月期予想)※執筆時点の株価ベース
日本株で高配当と言われる水準の3%を上回っていますので合格点です。
- 配当性向:32.8%(24年3月期予想)
- 配当金(絶対額): 直近10年増加傾向(減配無し)
配当金は2014年以降10年間で6.5円から10円まで減配せずに増加しています。
配当方針は、明確な記載はありませんが2017年までは毎年6.5円固定の金額ベースの方針だったと思われます。
しかし、2018年以降は配当性向30%前後で大きな変化がない一方、金額は毎年変化しており配当性向ベース(30%程度)の方針に変更したと思われます。
方針が配当性向ベースですが、配当性向が30%台と余裕があり、過去10年減配していない実績も考慮すると今後も減配せずに安定配当の維持を十分期待できるでしょう。
財務指標
- 売上 : 過去10年増加傾向(直近数年は横ばい)
2020年までは約224億円から約296億円まで増加傾向でしたが、2021年に約276億円まで減少した以降は多少回復するも約280億円程度で横ばい傾向となっています。
- 営業利益率:4.47%(23年3月期実績)
2019年以降は概ね4%前後で推移しています。
「倉庫・運輸関連」業の平均の6%弱程度から見ても、一般的に見ても低めの営業利益率となっております。
- 自己資本比率:50.7%(23年3月期実績)
50%を越えた比較的良好な自己資本比率となっており、今後金利が上昇しても、それによる倒産や減益・減配のリスクは低いでしょう。
- フリーキャッシュフロー:直近10年でマイナス3回
- 現金資産:直近配当の約22年分(23年3月期実績)
ここ10年でフリーキャッシュフローがマイナスが3回ありますが、営業キャッシュフローは全てプラスになっています。
現金は2023年時点で約83億円の残高があり、これは直近配当実績の約22年分と極めて余裕がある金額です。景気悪化等で一時的に利益が減少した際も、現金資産を取り崩して配当を維持することが可能でしょう。
事業内容
- 海外事業比率:情報なし
- 地政学的リスクがある国・地域での事業:中国
事業内容としては、倉庫と物流サービスの提供となっております。
海外事業比率については、決算資料等で情報を見つけられませんでしたが、「当社グループの利害関係者の多くは、国内の株主、債権者、取引先等である」との記載があり、顧客の多くは国内企業と思われます。
中国については、関連会社1社の記載がホームページにありますが、輸送サービスを提供する会社とのことで製造拠点ではないことと、顧客の多くは国内企業と考えられることから地政学的リスクは限定的と考えます。
北米にも関連会社1社の記載がホームページにありますが、同様の理由により今後欧米の景気が悪くなった場合のインパクトも限定的と思われます。
- 若年層依存度:なし
倉庫と物流サービスの提供が主な事業であり、若年層に偏ったビジネスではないため、今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少ないと考えられます。
- 景気敏感性:低い
ベータ値は執筆時点で「0.54」であり景気敏感性は低いと考えます。そのため、今後景気が悪化した場合の影響は抑えられるでしょう。
まとめ
「配当水準」は問題ありません。
「財務指標」も大きな問題はありませんが、営業利益率が低い点は注意が必要です。
「事業内容」は中国/北米に拠点がありますが、国内顧客が中心で景気敏感性も低いため地政学的リスクや欧米景気悪化時のリスクも限定的でしょう。
営業利益率が低い点には若干注意が必要ですが、財務良好でありよほどのことがない限り今後も安定した高配当を維持することが期待できるでしょう。
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