中部鋼鈑(5461)

銘柄情報

当サイトに掲載されている投資に関する見解は、個人の主観・感想を元に作成したものであり、特定の銘柄・金融商品の勧誘や上昇・下降を予想/示唆するものでもありません。また、運用成果や投資収益を保証するものではありません。最終的な投資の意思決定はご自身の責任と判断でお願いします

※本記事は2023年3月期決算発表時点の情報を元に作成してます

はじめに

結論

当サイト独断判定Aー(前向きに組み入れを検討)

配当水準 : B+
利回り4%台(執筆時点)。過去10年増配傾向だが3回減配あり。配当性向は30%台で余裕のある水準だが、方針が配当性向ベース(35%)で下限金額が直近予想より低く減配リスクに注意

財務指標 : A-
直近10年で売上は横ばい傾向直近は大幅増。営業利益率は16%台と高く、自己資本比率も80%台で有利子負債ゼロで非常に優秀。営業キャッシュフローは過去10年でマイナス1回あるも現金資産は余裕あり

事業内容 : A
地政学的リスクと若年層への依存度は無し景気敏感性は高いが海外事業がほぼ無いと考えられるため欧米景気の悪化によるリスクは低い

配当水準


  • 配当利回り:4.5% (24年3月期予想)※執筆時点の株価ベース

日本株で高配当と言われる水準の3%を大きく上回っていますので文句なく合格点です。

  • 配当性向:35.3%(24年3月期予想)
  • 配当金(絶対額): 過去10年は増加傾向(減配3回)

配当金は2014年の40円から2023年の120円まで上昇していますが、17年/19年/21年に3回減配しています。特に21年は30円⇒18円に大幅に減配しています。

その後2022年に43円、2023年に104円と直近は連続して大幅増配していますが、2024年は再び減配となる83円予想となっております。

配当方針は2023年から下限を60円とする配当性向ベース(35%)に変更しています。

配当性向は30%台で余裕があり、配当方針は配当性向ベースですが、下限金額が現状配当予想より低くなっているため、今後の減配には一定の注意が必要です。

財務指標


  • 売上 : 過去10年横這いも直近で大幅増加

2021年までは約300億円~約500億円近辺で増減を繰り返し横這い傾向でしたが、2022年に約644億円、2023年に約763億円と大きく増加しています。ただし、2024年は約706億円と減少予想となっております

  • 営業利益率:16.07%(23年3月期実績)

過去10年で5%~11%の間で増減を繰り返していましたが、直近の2023年に16%台に大きく上昇しています。2024年は14%台まで低下予想となっています。

「鉄鋼」業種の平均が6%前後ですので、それと比較しても一般的にも優秀な営業利益率でしょう。

  • 自己資本比率:82.9%(23年3月期実績)

80%を越えた非常に高い自己資本比率となっており、有利子負債ゼロの無借金経営になっています。今後金利が上昇しても、それによる倒産や減益・減配のリスクは全く無いでしょう。

  • フリーキャッシュフロー:直近10年でマイナス3回
  • 現金資産:直近配当の約9年分(23年3月期実績)

ここ10年でフリーキャッシュフローはマイナスが3回、営業キャッシュフローはマイナスが1回あります。

現金は2023年時点で約124億円の残高があり、これは直近配当実績の約9年分と十分余裕がある金額です。景気悪化等で一時的に利益が減少した際も、現金資産を取り崩して配当を維持することが可能でしょう。

事業内容


  • 海外事業比率:情報なし
  • 地政学的リスクがある国・地域での事業:情報なし

事業内容は、主に各種鋼板の製造・販売となっています。

決算資料やホームページからは海外事業についての記載が見つけられず、海外拠点の記載もありませんでしたので、海外事業についてはほぼ無いと考えられます。そのため、地政学的リスクも無く今後欧米の景気が悪くなった場合のインパクトも小さいと考えます。

  • 若年層依存度:なし

事業内容が主に各種鋼板の製造・販売となっており、特定の年齢層をターゲットとしたビジネスではないため、今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少ないと考えられます。

  • 景気敏感性:高い

ベータ値情報は見つけられませんでしたが、業種分類としては景気動向に敏感な「鉄鋼」に該当するため、景気敏感性は高いと想定します。ただ、海外事業がほぼ無いように見えるため、今後欧米の景気が悪化した場合の影響は小さいと想定します。

まとめ

「配当水準」は配当性向は余裕がありますが、配当方針が配当性向ベースで、金額下限が直近の予想配当水準より低いため減配リスクに若干注意が必要です。

「財務指標」「事業内容」は特に問題はありません。

減益時の減配リスクに若干注意が必要ですが、よほどのことがない限り今後も安定した高配当を維持することが期待できるでしょう。

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