決算サマリ
2023年7月31日に、イチカワ (3513)が2024年3月期1Q(4~6月)の決算を発表しました。ポイントは以下の通りです。
- 売上は、会社通期予想の範囲内(計画通り進捗)
- 利益は、会社通期予想を上回るペースで進捗
- 通期計画・配当予想は変更無し
この結果を踏まえて、当サイトの判定は「Aー」(前向きに組み入れを検討)で変更ありません。引き続き高配当銘柄として安定した配当が期待できるでしょう。
以下、それぞれ細かく見ていきます。
売上は会社通期予想の範囲内
売上は、下記表のように通期の会社予想に対する進捗率は約24%となっています。
2024年 通期予想 | 2024年1Q | 進捗率 | |
(百万円) | (百万円) | % | |
売上 | 13,300 | 3,240 | 24.4% |
営業利益 | 610 | 191 | 31.3% |
経常利益 | 720 | 342 | 47.5% |
純利益 | 410 | 199 | 48.5% |
過去4年間の1Q売上の通期に対する割合も、下記のように概ね23%前後となっており、今期もこの割合で推移すると考えると、概ね会社計画通りの進捗と考えて良いでしょう。
1Q | 2Q | 3Q | 通期 | ||
2020年3月期 | 売上 | 2,912 | 5,933 | 8,832 | 11,945 |
年間比率 | 24.4% | 49.7% | 73.9% | 100.0% | |
2021年3月期 | 売上 | 2,772 | 5,834 | 8,395 | 11,598 |
年間比率 | 23.9% | 50.3% | 72.4% | 100.0% | |
2022年3月期 | 売上 | 2,775 | 5,859 | 8,829 | 12,355 |
年間比率 | 22.5% | 47.4% | 71.5% | 100.0% | |
2023年3月期 | 売上 | 3,072 | 6,515 | 9,997 | 13,344 |
年間比率 | 23.0% | 48.8% | 74.9% | 100.0% | |
2024年3月期 | 売上 | 3,240 | – | – | 13,300※ |
年間比率 | 24.4% | – | – | 100.0% |
利益は会社通期予想を上回るペースで進捗
営業利益は、下記表のように通期の会社予想に対する進捗率は約31%となっており、経常利益/純利益に至っては約48%と通期計画の半分近くを既に達成している状況です。
これにより、営業利益率も前年同期の1.7%から5.9%に増加しています。
2024年 通期予想 | 2024年1Q | 進捗率 | |
(百万円) | (百万円) | % | |
売上 | 13,300 | 3,240 | 24.4% |
営業利益 | 610 | 191 | 31.3% |
経常利益 | 720 | 342 | 47.5% |
純利益 | 410 | 199 | 48.5% |
この理由は、「国内製品価格改定、海外ベルトの増販に加え、為替が円安に推移した影響」としています。
特に為替については期初の想定レートは下記のように128円/ドル、140円/ユーロでしたが、現在は概ね140円/ドル、157円/ユーロ程度と1割程度想定よりも円安で推移しており、この影響が大きいと思われます。
通期計画・配当予想は変更無し
営業利益は大きく増加しており、経常利益/純利益は1Qで年間計画の半分近くを達成している状況ですが、会社としては通期計画・配当予想は変えていません。
これは、売上は会社予想通りの進捗率であることと、増益は円安の影響が大きく今後の為替レートによって大きく変動する可能性もあり、現時点では通期の業績への影響を判断できないためと思われます。
ただ、今後2Q以降もこのまま順調であれば、どこかのタイミングで上方修正してくる可能性は十分あるでしょう。
その場合でも、配当方針は配当性向ベースではなく金額ベースと想定されますので配当予想はおそらく変更しないものと思われます。
まとめ
売上の進捗は順調であり、利益は円安の影響で大きく増加していることが1Qの結果から確認できました。
上方修正は今後の為替レート次第という面が強いですが、少なくとも会社計画を下振れするリスクはかなり下がったと言えますので、今後も安定した高配当が期待できる結果と言えるでしょう。
より詳細な銘柄情報については、以下記事も併せて参照ください。
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