CDS(2169)

銘柄情報

当サイトに掲載されている投資に関する見解は、個人の主観・感想を元に作成したものであり、特定の銘柄・金融商品の勧誘や上昇・下降を予想/示唆するものでもありません。また、運用成果や投資収益を保証するものではありません。最終的な投資の意思決定はご自身の責任と判断でお願いします

※本記事は2022年12月期決算発表時点の情報を元に作成してます

はじめに

結論

当サイト独断判定A(前向きに組み入れを検討)

配当水準 : A
利回り3%台(執筆時点)で過去10年以上増配傾向で減配無し。配当方針は配当性向ベース(40%~50%程度と想定。直近配当性向は40%台で余裕あり、過去10年以上この水準で配当しており減配リスクは低い

財務指標 : A
売上は増加傾向も2020年に一時急減。営業利益率は16%台で優秀。自己資本比率は80%近くあり、有利子負債も少なく非常に優秀。営業キャッシュフローは過去10年プラスで現金資産も十分

事業内容 : B+
主要顧客の三菱自動車は若年層に依存しないビジネスだが、間接的な地政学的リスクは少なからず存在。景気敏感性が高く、三菱自動車は欧米販売比率も高いため今後欧米の景気が悪くなった場合のインパクトに注意

配当水準


  • 配当利回り:3.5% (23年12月期予想)※執筆時点の株価ベース

若干物足りないですが、日本株で高配当と言われる水準の3%は上回っていますので合格点です。

  • 配当性向:40%(23年12月期予想)
  • 配当金(絶対額): 過去10年増配傾向(減配なし)

配当金は過去10年で減配は無く、36円から60円と毎年ではありませんが減配無く着実に増配しています。

配当方針は特に明確な記載はありませんが、過去10年の配当性向がほぼ40%〜50%前後の範囲内で推移していますので、配当性向ベース(40%〜50%前後)と推測します。

直近の予想配当性向は40%台で無理のない水準であり、過去10年以上減配せずに増配傾向である事と、後述の財務状況を考慮すると、今後も減配せずに緩やかに増配していくことが期待できるでしょう。

財務指標


  • 売上 : 増加傾向(2020年に急減し回復)

過去10年で、2017年までは80億円台で横ばい推移でしたが、そこから2019年までに106億円に増加しています。その後、2020年に79億円まで急減しましたが、2022年までに96億円まで回復しています。

  • 営業利益率:16.05%(22年12月期実績)

過去10年で、2017年までは12%台で横ばい推移で、そこから2019年までに14%台まで増加しています。その後2020年に9%台まで減少してますが、2022年までに16%台まで再び増加しています。

「サービス業」は営業利益率の差が大きく業界平均としての単純な比較は難しいですが、16%程度の営業利益率は一般的に優秀な利益率でしょう。

  • 自己資本比率:79.1%(22年12月期実績)

80%近くの高い自己資本比率で有利子負債も少なく、今後金利が上昇しても、それによる倒産や減益・減配のリスクはほぼ無いでしょう。

  • フリーキャッシュフロー:直近10年でマイナス2回
  • 直近配当の約7年分(22年12月期実績)

ここ10年でフリーキャッシュフローマイナスが2回ありますが、営業キャッシュフローはプラスを10年以上キープしています。

現金は2022年時点で約31億円の残高があり、これは直近配当実績の約7年分と十分な金額です。

営業キャッシュフローはプラスで現金残高も十分ありますので景気悪化等で一時的に利益が減少した際も、現金資産を取り崩して配当を維持することが可能でしょう。

事業内容


  • 海外事業比率:情報なし
  • 地政学的リスクがある国・地域での事業:情報なし

製品マニュアル等の制作受託、3D-CAD設計等の業務支援、技術系システムの企画/開発/運用等を業務内容としています。

決算資料やホームページ等で海外での事業についての記述は見つけられませんでしたので、海外事業はほぼ無いと考えて良いでしょう。

ただし、顧客企業のビジネス状況に大きく左右される業態で、主要顧客が自動車業界(三菱自動車)となっております。

三菱自動車の中国単体での販売比率は不明ですが、「アジア」地域の売上は24%程度存在しています。またホームページには中国の生産拠点1か所と開発・購買・保守拠点1か所の記載があります。そのため間接的な地政学的リスクはある程度存在しているでしょう。

三菱自動車の欧米販売比率は32%程度あり、欧米の景気悪化時のリスクもそれなりにあるでしょう。

  • 若年層依存度:なし

事業内容は技術関係の各種業務受託となっており、特定の年齢層をターゲットとしたビジネスではないため、今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少ないと考えられます。

  • 景気敏感性:高い

顧客の景気敏感性に左右される業態ですが、ベータ値は執筆時点で「0.92」であり景気敏感性は高いと考えます。そのため、今後景気が悪化した場合の影響は大きいと想定します。

まとめ

「配当水準」は配当利回りが3%台前半と若干物足りなさがありますが良好です。

「財務指標」は全く問題はありません。

「事業内容」は主要顧客の自動車業界が地政学的リスクがあり、欧米事業比率と景気敏感性も高いため今後欧米の景気が悪化した際の減益・減配のリスクには一定の注意が必要です。

配当利回りに若干物足りなさがあり、欧米の景気悪化リスクに一定の注意は必要ですが、財務良好で倒産リスクも小さいため、基本的には安定した高配当が期待できるため高配当投資の一角として前向きに検討しても良いでしょう。

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