※本記事は2023年3月期1Q決算発表時点の情報を元に作成してます
はじめに
結論
当サイト独断判定:B+(組み入れを検討したい)
配当水準 : B
利回り4%台(執筆時点)。2016年以降横這い傾向で過去10年で減配3回。配当性向は30%台で無理の無い水準だが、配当方針が配当性向ベース(30%)で過去実際に減配しているため、今後の減配リスクに一定の注意が必要。
財務指標 : B+
過去10年売上は横ばい傾向も直近では増加。営業利益率は直近8%台で業界平均以上で、自己資本比率も60%台で優秀。キャッシュフローは過去10年プラスで現金資産は極めて余裕がある状況。
事業内容 : Aー
地政学的リスクと若年層への依存度は無し。景気敏感性は高いが海外事業がほぼ無いため海外景気の悪化によるリスクは低い。
配当水準
- 配当利回り:4.6% (24年3月期予想)※執筆時点の株価ベース
日本株で高配当と言われる水準の3%を大きく上回っていますので文句なく合格点です。
- 配当性向:30.0%(24年3月期予想)
- 配当金(絶対額): 2016年以降横這い傾向(減配3回)
配当金は過去10年で50円から185円まで増加していますが、2016年以降は途中3回の減配を挟みながら全体的には横ばい傾向です。
配当方針は明確な記載がありませんが、2016年の決算短信に配当性向ベース(30%目安)との記載があり、実際の配当性向も2016年以降は概ね30%のため、この方針が継続されているものと思われます。
本方針をほぼ厳密に適用しており、過去3回の減配も本方針に従った結果になります。
直近配当性向は無理の無い水準ですが、配当方針が配当性向ベースで、その方針をかなり厳密に守って実際に過去10年で3回減配しているため、減配リスクにはある程度注意が必要と考えます。
財務指標
- 売上 : 過去10年横這い傾向(直近増加)
売上は2022年まで約350億円前後で概ね横ばい傾向でしたが、直近の2023年は397億円に増加しています。
- 営業利益率:8.48%(23年3月期実績)
営業利益率は2016年以降7%~8%前後で推移しています。
「建設業」業種平均の5%前後と比較しても、一般的にも比較的良好な営業利益率でしょう。
- 自己資本比率:62.6%(23年3月期実績)
60%を越えた高い自己資本比率となっており、今後金利が上昇しても、それによる倒産や減益・減配のリスクは低いでしょう。
- フリーキャッシュフロー:直近10年プラス
- 現金資産:直近配当の約20年分(23年3月期実績)
ここ10年でフリーキャッシュフロー、営業キャッシュフローともに常にプラスをキープしています。
現金は2023年時点で約102億円の残高があり、これは直近配当実績の約20年分と極めて余裕がある金額です。景気悪化等で一時的に利益が減少した際も、現金資産を取り崩して配当を維持することが可能でしょう。
事業内容
- 海外事業比率:海外事業無し
- 地政学的リスクがある国・地域での事業:無し
主な事業内容は、スポーツ施設や商業施設等の屋根や、太陽光発電等の各種屋根の製造・販売・工事となっています。
決算資料等で海外での事業についての記述は見つけられませんでしたが、「当社の利害関係者の多くは、国内の株主、債権者、取引先等」との記載があり、海外事業はほぼ無いと考えられます。
そのため、地政学的リスクや、今後海外の景気が悪くなった場合のインパクトもほぼ無いと思われます。
- 若年層依存度:なし
事業内容が各種屋根の製造・販売・工事となっており、特定の年齢層をターゲットとしたビジネスではないため、今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少ないと考えられます。
- 景気敏感性:高い
ベータ値は執筆時点で「0.97」であり景気敏感性は高いですが、海外事業がほぼ無いため今後欧米の景気が悪くなった場合のインパクトは低いでしょう。
まとめ
「配当水準」は配当方針が配当性向ベースで過去減配実績もあるため、減配リスクに注意が必要です。
「財務指標」は、売上が直近では増加していますが過去10年では横這い傾向な点に若干の注意が必要ですが、他は全く問題ありません。
「事業内容」は全く問題ありません。
減配リスクに注意が必要ですが、財務は優秀で倒産リスクも小さいため、長期的に安定した高配当が期待できるため高配当投資の一角として検討に値するでしょう。
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