決算サマリ
2023年8月10日に、エフティグループ(2763)が2024年3月期1Q(4~6月)の決算を発表しました。ポイントは以下の通りです。
- 売上は、会社通期予想の範囲内(計画通り進捗)
- 利益は、会社通期予想を上回るペースで進捗
- 通期計画・配当予想は変更無し
- 自社株買いを発表
この結果を踏まえて、当サイトの判定は「Aー」(前向きに組み入れを検討)で変更ありません。引き続き高配当銘柄として安定した配当が期待できるでしょう。
以下、それぞれ細かく見ていきます。
売上は会社通期予想の範囲内
売上は、下記表のように通期の会社予想に対する進捗率は約25%となっています。
2024年 通期予想 | 2024年1Q | 進捗率 | |
(百万円) | (百万円) | % | |
売上 | 35,000 | 8,648 | 24.7% |
営業利益 | 5,900 | 1,971 | 33.4% |
純利益 | 3,800 | 1,359 | 35.8% |
過去4年間の1Q売上の通期に対する割合も、下記のように2022年を除けば概ね25%前後となっており、今期もこの割合で推移すると考えると、概ね会社計画通りの進捗と考えて良いでしょう。
1Q | 2Q | 3Q | 通期 | ||
2020年3月期 | 売上 | 11,742 | 22,983 | 34,271 | 45,887 |
年間比率 | 25.6% | 50.1% | 74.7% | 100.0% | |
2021年3月期 | 売上 | 10,401 | 20,544 | 30,612 | 41,329 |
年間比率 | 25.2% | 49.7% | 74.1% | 100.0% | |
2022年3月期 | 売上 | 10,170 | 21,033 | 32,685 | 45,241 |
年間比率 | 22.5% | 46.5% | 72.2% | 100.0% | |
2023年3月期 | 売上 | 10,005 | 20,614 | 30,510 | 40,698 |
年間比率 | 24.6% | 50.7% | 75.0% | 100.0% | |
2024年3月期 | 売上 | 8,648 | – | – | 35,000※ |
年間比率 | 24.7% | – | – | 100.0% |
利益は会社通期予想を上回るペースで進捗
各利益は、下記表のように通期の会社予想に対する進捗率は35%前後となっています。
営業利益率も前年同期の12.5%から22.8%に増加しています。
2024年 通期予想 | 2024年1Q | 進捗率 | |
(百万円) | (百万円) | % | |
売上 | 35,000 | 8,648 | 24.7% |
営業利益 | 5,900 | 1,971 | 33.4% |
純利益 | 3,800 | 1,359 | 35.8% |
過去4年間の1Q営業利益の通期に対する割合は、下記のようにばらつきがありますが、今期の約32%という進捗率は過去4年間と比較して2番目に高い数値であり、会社計画を上回るペースと考えて良いでしょう。
この理由は、「電力原価が低下したこと」としています。電力小売りサービスにおける卸電力取引市場での調達価格が前年同期より低下したことが利益率の改善につながったようです。
1Q | 2Q | 3Q | 通期 | ||
2020年3月期 | 営業利益 | 2,206 | 3,614 | 4,908 | 6,254 |
年間比率 | 35.3% | 57.8% | 78.5% | 100.0% | |
2021年3月期 | 営業利益 | 1,677 | 4,009 | 4,995 | 5,483 |
年間比率 | 30.6% | 73.1% | 91.1% | 100.0% | |
2022年3月期 | 営業利益 | 1,457 | 2,813 | 3,708 | 6,383 |
年間比率 | 22.8% | 44.1% | 58.1% | 100.0% | |
2023年3月期 | 営業利益 | 1,246 | 3,519 | 4,769 | 5,837 |
年間比率 | 21.3% | 60.3% | 81.7% | 100.0% | |
2024年3月期 | 営業利益 | 1,971 | – | – | 5,900※ |
年間比率 | 33.4% | – | – | 100.0% |
通期計画・配当予想は変更無し
以上のように、利益が例年の進捗と比較すると、会社予想から上振れするペースですが通期計画・配当予想は変えていません。
これは、増益の理由が電力原価の低下であり2Q以降の電力原価次第という面がある点と、まだ1Qであり現時点では通期の業績への影響を判断できないためと思われます。
しかし、今後2Q以降もこのまま順調であればどこかのタイミングで上方修正してくる可能性は十分あるでしょう。
その場合は、配当方針が配当性向ベースのため配当予想の上方修正の可能性もあるでしょう。
自社株買いを発表
決算発表と同時に自社株買いも発表しています。
取得株式総数(上限)は45万株で、発行済み株式数の1.47%にあたり、取得期間は2023年8月17日~2024年2月29日としています。
自社株買いの規模はそこまで大きくはありませんが、株主利益重視の姿勢の表れと考えますので、今後の配当についても期待がもてる発表と思います。
まとめ
売上の進捗は順調であり、利益は電力原価の低下により通期予想を上回るペースで進捗していることが1Qの結果から確認できました。
また、自社株買いも発表しており株主還元姿勢も改めて確認できた状況であり、今後も安定した高配当が期待できる結果と言えるでしょう。
より詳細な銘柄情報については、以下記事も併せて参照ください。
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