決算サマリ
2023年8月9日に、新家工業(7305)が2024年3月期1Q(4~6月)の決算を発表しました。ポイントは以下の通りです。
- 売上は、会社通期予想の範囲内(計画通り進捗)
- 利益は、会社通期予想を上回るペースで進捗
- 通期計画・配当予想は変更無し
この結果を踏まえて、当サイトの判定は「Aー」(前向きに組み入れを検討)で変更ありません。引き続き高配当銘柄として安定した配当が期待できるでしょう。
以下、それぞれ細かく見ていきます。
売上は会社通期予想の範囲内
売上は、下記表のように通期の会社予想に対する進捗率は約27%となっています。
2024年 通期予想 | 2024年1Q | 進捗率 | |
(百万円) | (百万円) | % | |
売上 | 43,000 | 11,505 | 26.8% |
営業利益 | 1,800 | 627 | 34.8% |
経常利益 | 2,000 | 933 | 46.7% |
純利益 | 1,300 | 658 | 50.6% |
過去4年間の1Q売上の通期に対する割合も、下記のように2022年を除き概ね25%程度となっており、今期もこの割合で推移すると考えると、概ね会社計画通りの進捗と考えて良いでしょう。
1Q | 2Q | 3Q | 通期 | ||
2020年3月期 | 売上 | 10,325 | 20,621 | 31,251 | 41,046 |
年間比率 | 25.2% | 50.2% | 76.1% | 100.0% | |
2021年3月期 | 売上 | 8,914 | 17,414 | 26,893 | 36,504 |
年間比率 | 24.4% | 47.7% | 73.7% | 100.0% | |
2022年3月期 | 売上 | 8,970 | 18,615 | 29,707 | 40,760 |
年間比率 | 22.0% | 45.7% | 72.9% | 100.0% | |
2023年3月期 | 売上 | 11,836 | 23,117 | 35,021 | 46,426 |
年間比率 | 25.5% | 49.8% | 75.4% | 100.0% | |
2024年3月期 | 売上 | 11,505 | – | – | 43,000※ |
年間比率 | 26.8% | – | – | 100.0% |
利益は会社通期予想を上回るペースで進捗
各利益は、下記表のように通期の会社予想に対する進捗率は35%~50%前後となっております。
2024年 通期予想 | 2024年1Q | 進捗率 | |
(百万円) | (百万円) | % | |
売上 | 43,000 | 11,505 | 26.8% |
営業利益 | 1,800 | 627 | 34.8% |
経常利益 | 2,000 | 933 | 46.7% |
純利益 | 1,300 | 658 | 50.6% |
過去4年間の1Q営業利益の通期に対する割合は、下記のように2022年を除き概ね25%前後となっており、今期の約35%という進捗率は過去4年間と比較して最も高い数値であり、会社計画を上回るペースと考えて良いでしょう。
1Q | 2Q | 3Q | 通期 | ||
2020年3月期 | 営業利益 | 302 | 561 | 922 | 1,275 |
年間比率 | 23.7% | 44.0% | 72.3% | 100.0% | |
2021年3月期 | 営業利益 | 176 | 99 | 338 | 713 |
年間比率 | 24.7% | 13.9% | 47.4% | 100.0% | |
2022年3月期 | 営業利益 | 523 | 1,270 | 2,483 | 3,384 |
年間比率 | 15.5% | 37.5% | 73.4% | 100.0% | |
2023年3月期 | 営業利益 | 1,184 | 2,558 | 3,838 | 4,628 |
年間比率 | 25.6% | 55.3% | 82.9% | 100.0% | |
2024年3月期 | 営業利益 | 627 | – | – | 1,800※ |
年間比率 | 34.8% | – | – | 100.0% |
実際、この結果を踏まえて1Q決算発表と同時に各利益を中心に上半期の業績予想を上方修正しています。
この理由は、「前年度の販売価格を比較的維持できたこと」としています。
元々の業績予想が通期で50%以上の減益見込みとかなり保守的な予想でしたが、実際はそこまでの減益とはならなかったということになります。
上方修正したとはいえ営業利益率は前年同期の10.0%から5.4%に減少しており、依然昨年度に比較するとまだ減益基調となっております。
通期計画・配当予想は変更無し
上半期の予想は上方修正しましたが、通期計画・配当予想は変えていません。
1Qは結果的に予想より減益の度合が小さかったですが、2Q以降の利益率については未だに会社としては保守的に見ているということだと思われます。
しかし、今後2Q以降もこのまま昨年レベルの価格を維持をすることができれば、どこかのタイミングで通期予想も上方修正してくる可能性は十分あるでしょう。
その場合は、配当方針が配当性向ベースのため配当予想の上方修正の可能性もあるでしょう。
まとめ
売上の進捗は順調であり、利益は前年度の販売価格を比較的維持できたことにより通期予想を上回るペースで進捗していることが1Qの結果から確認できました。
上半期の予想は上方修正されたはいえ、通期の業績についてはまだ判断するのは早いですが、インフレや円安も進む中で利益率の減少を予想より抑えられたのは安心材料であり、基本的には今後も安定した高配当が期待できる結果と言えるでしょう。
より詳細な銘柄情報については、以下記事も併せて参照ください。
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