※本記事は2024年3月期1Q決算発表時点の情報を元に作成してます
はじめに
結論
当サイト独断判定:Aー(前向きに組み入れを検討)
配当水準 : Aー
利回り4%台(執筆時点)で過去10年増配傾向で実質減配無し。配当方針は配当性向ベース(40%)だが、配当性向は直近予想40%台で無理の無い水準で、過去10年減配がない事を考えると減配のリスクは低い。
財務指標 : Aー
売上は過去10年増加傾向も直近数年は横ばい傾向。営業利益率は6%台とやや低め。自己資本比率は70%台と優秀で有利子負債もゼロ。営業キャッシュフローは過去10年プラスで現金資産は余裕あり。
事業内容 : Aー
地政学的リスクと若年層への依存度はほぼ無し。景気敏感性は高いが海外事業がほぼ無いため欧米景気の悪化によるリスクは低い。
配当水準
- 配当利回り:4.3% (24年3月期予想)※執筆時点の株価ベース
日本株で高配当と言われる水準の3%を大きく上回っていますので文句なく合格点です。
- 配当性向:44.1%(24年3月期予想)
- 配当金(絶対額): 過去10年以上増加傾向(実質減配なし)
配当金は過去10年で5円から40円と増加傾向で、1回減配がありますがこれは記念配当落ちのため実質的には減配も無いと言えるでしょう。
配当方針は、配当性向ベース(40%)としています。
配当性向は40%台で無理のない水準であり、過去10年減配も無いことから今後も減配せずに安定配当の維持を十分期待できるでしょう。
財務指標
- 売上 : 過去10年連続増加
2014年の約114億円から2023年の約147億円まで増加傾向ですが、2020年以降は横ばいが続いています。
- 営業利益率:6.15%(23年3月期実績)
2014年の2%台から徐々に増加傾向ですが、こちらも2020年以降は横ばい傾向です。
「情報・通信」業種平均の8%程度と比較すると若干低めで、一般的にも若干物足りない営業利益率と考えます。
- 自己資本比率:70.8%(23年3月期実績)
70%を越えた高い自己資本比率で、有利子負債もゼロの無借金経営となっております。今後金利が上昇しても、それによる倒産や減益・減配のリスクは無いでしょう。
- フリーキャッシュフロー:直近10年でマイナス1回
- 現金資産:直近配当の約12年分(23年3月期実績)
ここ10年でフリーキャッシュフローはマイナスが1回ありますが、営業キャッシュフローは常にプラスとなっています。
現金は2023年時点で約39億円の残高があり、これは直近配当実績の約12年分と余裕がある金額です。景気悪化等で一時的に利益が減少した際も、現金資産を取り崩して配当を維持することが可能でしょう。
事業内容
- 海外事業比率:海外事業無し
- 地政学的リスクがある国・地域での事業:無し
事業内容は、主に人事・会計等のソリューションサービスや、ヘルプデスク等のサポートサービスの提供、受託開発となっています。
決算資料等で海外での事業についての記述は見つけられませんでしたが、「当社グループの利害関係者の多くは、国内の株主、債権者、取引先等」との記載があり、海外事業は無いと考えられます。
そのため、地政学的リスクや、今後海外の景気が悪くなった場合のインパクトも無いと思われます。
- 若年層依存度:なし
事業内容がソリューション/サポートのサービス提供や受託開発となっており、特定の年齢層をターゲットとしたビジネスではないため、今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少ないと考えられます。
- 景気敏感性:高い
ベータ値は執筆時点で「1.10」であり景気敏感性は高いと考えます。ただ、海外事業がほぼ無いと考えられるため、今後欧米の景気が悪化した場合の影響は小さいと想定します。
まとめ
「配当水準」は特に問題ありません。
「財務指標」は直近の売上が横這い傾向で営業利益率も業界平均以下となっており、今後の収益率の推移に注意が必要です。
「事業内容」は景気敏感性が高いですが、海外事業がほぼ無いため大きな問題は無いでしょう。
今後の利益率の動向には若干注意が必要ですが、財務優秀でありよほどのことがない限り今後も安定した高配当を維持することが期待できるでしょう。
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