決算サマリ
2023年8月9日に、東陽倉庫(9306)が2024年3月期1Q(4~6月)の決算を発表しました。ポイントは以下の通りです。
- 売上は、会社通期予想の範囲内(計画通り進捗)
- 利益は、会社通期予想を若干上回るペースで進捗
- 通期計画・配当予想は変更無し
この結果を踏まえて、当サイトの判定は「Aー」(前向きに組み入れを検討)で変更ありません。引き続き高配当銘柄として安定した配当が期待できるでしょう。
以下、それぞれ細かく見ていきます。
売上は会社通期予想の範囲内
売上は、下記表のように通期の会社予想に対する進捗率は約24%となっています。
2024年 通期予想 | 2024年1Q | 進捗率 | |
(百万円) | (百万円) | % | |
売上 | 28,500 | 6,882 | 24.1% |
営業利益 | 1,200 | 385 | 32.1% |
経常利益 | 1,600 | 584 | 36.5% |
純利益 | 1,150 | 426 | 37.0% |
過去4年間の1Q売上の通期に対する割合も、下記のように概ね25%前後となっており、今期もこの割合で推移すると考えると、概ね会社計画通りの進捗と考えて良いでしょう。
1Q | 2Q | 3Q | 通期 | ||
2020年3月期 | 売上 | 7,339 | 15,081 | 22,664 | 29,661 |
年間比率 | 24.7% | 50.8% | 76.4% | 100.0% | |
2021年3月期 | 売上 | 6,794 | 13,476 | 20,671 | 27,660 |
年間比率 | 24.6% | 48.7% | 74.7% | 100.0% | |
2022年3月期 | 売上 | 6,990 | 14,015 | 21,433 | 28,366 |
年間比率 | 24.6% | 49.4% | 75.6% | 100.0% | |
2023年3月期 | 売上 | 7,109 | 14,119 | 21,294 | 28,168 |
年間比率 | 25.2% | 50.1% | 75.6% | 100.0% | |
2024年3月期 | 売上 | 6,882 | – | – | 28,500※ |
年間比率 | 24.1% | – | – | 100.0% |
利益は会社通期予想を若干上回るペースで進捗
各利益は、下記表のように通期の会社予想に対する進捗率は35%前後となっています。
営業利益率も前年同期の5.2%から5.6%に増加しています。
2024年 通期予想 | 2024年1Q | 進捗率 | |
(百万円) | (百万円) | % | |
売上 | 28,500 | 6,882 | 24.1% |
営業利益 | 1,200 | 385 | 32.1% |
経常利益 | 1,600 | 584 | 36.5% |
純利益 | 1,150 | 426 | 37.0% |
過去4年間の1Q営業利益の通期に対する割合は、下記のようにばらつきがありますが、今期の約32%という進捗率は過去4年間と比較して最も高い数値であり、会社計画を若干上回るペースと考えて良いでしょう。
この理由は、「経費の削減をより一層推進したこと等」としています。
1Q | 2Q | 3Q | 通期 | ||
2020年3月期 | 営業利益 | 356 | 722 | 1,008 | 1,272 |
年間比率 | 28.0% | 56.8% | 79.2% | 100.0% | |
2021年3月期 | 営業利益 | 248 | 484 | 827 | 1,057 |
年間比率 | 23.5% | 45.8% | 78.2% | 100.0% | |
2022年3月期 | 営業利益 | 358 | 680 | 1,097 | 1,364 |
年間比率 | 26.2% | 49.9% | 80.4% | 100.0% | |
2023年3月期 | 営業利益 | 370 | 656 | 1,001 | 1,258 |
年間比率 | 29.4% | 52.1% | 79.6% | 100.0% | |
2024年3月期 | 営業利益 | 385 | – | – | 1,200※ |
年間比率 | 32.1% | – | – | 100.0% |
通期計画・配当予想は変更無し
以上のように、利益が例年の進捗と比較すると、会社予想から若干上振れするペースですが通期計画・配当予想は変えていません。
これは、上振れの程度がそこまで大きくないことや、まだ1Qであり現時点では通期の業績への影響を判断できないためと思われます。
しかし、為替のような一時的な増益ではなく、経費削減による増益が主な要因と考えられるため、今後も効果が継続する可能性があり、今後2Q以降もこのまま順調であればどこかのタイミングで上方修正してくる可能性は十分あるでしょう。
その場合は、配当方針が配当性向ベースのため配当予想の上方修正の可能性もあるでしょう。
まとめ
売上の進捗は順調であり、利益は経費削減効果により通期予想を若干上回るペースで進捗していることが1Qの結果から確認できました。
通期の業績について判断するのは早いですが、インフレや円安も進む中でも利益率を伸ばしていることが確認できたのは安心材料であり、基本的には今後も安定した高配当が期待できる結果と言えるでしょう。
より詳細な銘柄情報については、以下記事も併せて参照ください。
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