※本記事は2023年3月期決算発表時点の情報を元に作成してます
はじめに
結論
当サイト独断判定:A(積極的に組み入れを検討)
配当水準 : Aー
利回り3%台(執筆時点)で過去10年増配傾向で減配無し。配当性向は70%台で高いが配当方針が金額ベースであることと、過去減配が無いことを考慮すると大きな減配リスクは低い。
財務指標 : A-
売上は19年以降減少も直近は回復傾向。営業利益率は減少傾向も9%台で良好。自己資本比率は80%台で非常に優秀。キャッシュフローは過去10年プラスで現金資産は十分余裕あり。
事業内容 : A+
海外事業、地政学的リスクは無し。若年層に依存しないビジネスで景気敏感性も低い。
配当水準
- 配当利回り:3.8% (24年3月期予想)※執筆時点の株価ベース
日本株で高配当と言われる水準の3%を上回っていますので合格点です。
- 配当性向:74.0%(24年3月期予想)
- 配当金(絶対額): 過去10年以上増加傾向(減配なし)
配当金は過去10年で25円から62円と増加傾向で減配もありません。
配当方針は明確な記載はありませんが、過去10年で配当性向が20%台から70%台まで増加傾向であり、減配が無いことを考えると金額ベースと思われます。
配当性向は70%台でかなり高めですが、後述の「財務指標」を考慮すると許容範囲内と考えますので、今後も減配せずに安定配当の維持を十分期待できるでしょう。
財務指標
- 売上 : 過去10年増加(直近減少し回復傾向)
2015年の約127億円から2019年の約145億円まで増加傾向でしたが、2020年以降は2022年までに約137億円まで減少してます。その後2023年は141億円と増加に転じ、2024年も148億円予想と回復傾向です。
- 営業利益率:9.76%(23年3月期実績)
2014年の19%台をピークに減少傾向で、直近2年間は9%台となっています。
「サービス業」業種の営業利益率は7%程度ですので、そこは上回っており一般的にもまだ良好な営業利益率ですが、今後の利益率の推移には注意が必要です。
- 自己資本比率:81.1%(23年3月期実績)
80%を越えた非常に高い自己資本比率となっており、今後金利が上昇しても、それによる倒産や減益・減配のリスクは全く無いでしょう。
- フリーキャッシュフロー:直近10年プラス
- 現金資産:直近配当の約10年分(23年3月期実績)
ここ10年でフリーキャッシュフロー、営業キャッシュフローともにプラスとなっています。
現金は2023年時点で約67億円の残高があり、これは直近配当実績の約10年分とかなり余裕がある金額です。景気悪化等で一時的に利益が減少した際も、現金資産を取り崩して配当を維持することが可能でしょう。
事業内容
- 海外事業比率:海外事業無し
- 地政学的リスクがある国・地域での事業:無し
事業内容は、シロアリ防除や害虫対策を中心とした住宅メンテナンスサービスの提供となっています。
決算資料等で海外での事業についての記述は見つけられませんでしたが、「当社グループの事業は日本国内に限定されており」との記載があり、海外事業は無いと考えられます。そのため、地政学的リスクや、今後海外の景気が悪くなった場合のインパクトも無いと思われます。
- 若年層依存度:なし
事業内容がシロアリ防除や害虫対策を中心とした住宅メンテナンスサービスの提供となっており、特定の年齢層をターゲットとしたビジネスではないため、今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少ないと考えられます。
- 景気敏感性:低い
ベータ値は執筆時点で「0.69」であり景気敏感性は低いと考えます。そのため、今後景気が悪化した場合の影響は抑えられるでしょう。
まとめ
「配当水準」、「財務指標」、「事業内容」ともに高配当株式投資に適した内容となっています。
配当性向が高い点には若干注意が必要ですが、他に大きな問題は見当たらなく、よほどのことがない限り今後も安定した高配当を維持することが期待できるでしょう。
これから国内高配当株投資を始める方へ
高配当株式投資は、財務体質がしっかりした安定配当が期待できる企業への分散投資が重要です。分散を十分に効かせるためには最低でも数十社に分散させることが望ましいです。
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