日本インシュレーション(5368)

銘柄情報

当サイトに掲載されている投資に関する見解は、個人の主観・感想を元に作成したものであり、特定の銘柄・金融商品の勧誘や上昇・下降を予想/示唆するものでもありません。また、運用成果や投資収益を保証するものではありません。最終的な投資の意思決定はご自身の責任と判断でお願いします

※本記事は2023年3月期決算発表時点の情報を元に作成してます

はじめに

結論

当サイト独断判定Aー(前向きに組み入れを検討)

配当水準 : A
利回り4%台(執筆時点)で過去9年は増配傾向減配も無し。配当性向は30%台で無理の無い水準。方針は配当性向ベースだが、下限金額を現状金額近辺に設定しているため大きな減配のリスクは低い

財務指標 : A-
売上は過去9年で横ばい(増加後に減少)。営業利益率は直近で低下も9%台で業界平均以上。自己資本比率は70%台で優秀。営業キャッシュフローは過去6年プラスで現金資産は十分余裕あり

事業内容 : A
地政学的リスク若年層への依存度は無し。景気敏感性は高いが欧米向け事業がほぼ無いため欧米景気の悪化によるリスクは低い

配当水準


  • 配当利回り:4.5% (24年3月期予想)※執筆時点の株価ベース

日本株で高配当と言われる水準の3%を大きく上回っていますので文句なく合格点です。

  • 配当性向:36.4%(24年3月期予想)
  • 配当金(絶対額): 過去9年は増加傾向(減配無し)

配当金は過去9年で10円から37円と増加傾向減配もありません

また、配当方針は配当性向ベース(30%以上)になってますが、下限を35円と設定しています。

配当性向は30%台で余裕があり、配当方針は配当性向ベースですが、下限金額がほぼ現状配当金額となっているため、今後も大きな減配はせずに安定した配当を十分期待できるでしょう。

財務指標


  • 売上 : 横ばい傾向(21年まで上昇も減少)

2021年までに約143億円まで増加しましたが、その後減少し過去9年間でみると結果的に横這い傾向となっております。

2024年は約133億円まで回復予想となっていますが、この減少が一時的なものなのか注意が必要です。

  • 営業利益率:9.29%(23年3月期実績)

2022年までは13~15%程度で推移していましたが、直近の2023年は9%台まで低下しています。原材料、エネルギー価格高騰の価格転嫁がうまく進まなかったことが主な原因で、2024年は10%台まで回復予想となっています。

低下したといっても「ガラス・土石」業種の平均を上回っておりますので、比較的優良な営業利益率と考えます。

  • 自己資本比率:76.4%(23年3月期実績)

70%台の優秀な自己資本比率となっており、今後金利が上昇しても、それによる倒産や減益・減配のリスクは低いでしょう。

  • フリーキャッシュフロー:直近6年でプラス
  • 現金資産:直近配当の約11年分(23年3月期実績)

ここ6年でフリーキャッシュフロー、営業キャッシュフローは共に常にプラスとなっています。

現金は2023年時点で約34億円の残高があり、これは直近配当実績の約11年分と余裕がある金額です。景気悪化等で一時的に利益が減少した際も、現金資産を取り崩して配当を維持することが可能でしょう。

事業内容


  • 海外事業比率:情報なし
  • 地政学的リスクがある国・地域での事業:情報なし

事業内容は、オフィス・工場等の耐火建材や、電力・化学プラント等の保温・耐火材といった建設資材の製造・販売となっています。

決算資料では海外での具体的な売上比率についての記述はありませんが、韓国、ベトナム、台湾、マレーシア、シンガポールの販売代理店ネットワークや海外事業への言及があるため、ある程度の海外事業比率があると思われます。

ホームページで海外拠点の記載が見つからないため、海外事業は基本的に現地代理店経由での事業となっているようです。その代理店も前述のように中国が含まれないアジア中心のため、地政学的リスクは無く今後海外の景気が悪くなった場合のインパクトの幅も小さいと考えます。

  • 若年層依存度:なし

事業内容が建設資材の製造・販売となっており、特定の年齢層をターゲットとしたビジネスではないため、今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少ないと考えられます。

  • 景気敏感性:高い

ベータ値情報は見つけられませんでしたが、業種分類としては景気動向に敏感な「ガラス・土石製品」に該当するため、景気敏感性は高いと想定します。ただ、欧米での事業比率がほぼ無いように見えるため、今後欧米の景気が悪化した場合の影響は小さいと想定します。

まとめ

「配当水準」は配当方針が配当性向ベースですが、金額下限が直近の配当水準近辺のため、大きな減配のリスクは低いでしょう。

「財務指標」は直近の売上と営業利益率が低下しているのが若干気になりますが、それでも業界平均以上の営業利益率であり、現金資産も十分余裕があるため大きな問題はないと考えます。

「事業内容」は景気敏感性が高いですが、国内中心のビジネスのため大きな問題は無いでしょう。

今後の減益時の減配リスクに若干注意が必要ですが、よほどのことがない限り今後も安定した高配当を維持することが期待できるでしょう。

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