日本たばこ産業(2914)

銘柄情報

当サイトに掲載されている投資に関する見解は、個人の主観・感想を元に作成したものであり、特定の銘柄・金融商品の勧誘や上昇・下降を予想/示唆するものでもありません。また、運用成果や投資収益を保証するものではありません。最終的な投資の意思決定はご自身の責任と判断でお願いします

※本記事は2023年12月期1Q決算発表時点の情報を元に作成してます

はじめに

結論

当サイト独断判定B+(組み入れを検討したい)

配当水準 : A
利回り6%台(執筆時点)。過去10年増配傾向だが減配1回あり。配当性向は70%台と高く、配当方針も配当性向ベースのため減配のリスクがあるが、現時点で非常に高い配当利回りのため多少減配しても高配当株の平均水準を下回る可能性は低い

財務指標 : B+
売上は直近は円安効果もあり増加も過去10年の傾向は横ばい。営業利益率は約25%と非常に優秀で、自己資本比率も50%台と良好。営業キャッシュフローは過去10年プラスも、現金資産は直近配当の約3年分と若干心許ない

事業内容 : B
ロシア事業に地政学的リスクがあるが、若年層に依存しないビジネス景気敏感性も低い

配当水準


  • 配当利回り:6.4% (23年12月期予想)※執筆時点の株価ベース

日本株で高配当と言われる水準の3%を大きく上回っていますので文句なく合格点です。

  • 配当性向:75.8%(23年12月期予想)
  • 配当金(絶対額): 過去10年以上増加傾向(減配1回)

配当金は一度2021年に減配していますが、過去10年で96円から188円と増え続けています

また、配当方針は配当性向ベース(75 ± 5%)となっています。

配当性向は70%台で非常に高く配当方針も配当性向ベースのため減配のリスクも高いですが、過去5年間このレベルの配当性向を継続できているという事業の安定性があることと、現時点で非常に高い配当利回りのため、仮に多少減配しても高配当株の平均水準を下回る可能性は低く、今後も高い利回りを十分期待できるでしょう。

財務指標


  • 売上 : 過去10年横這い傾向(直近増)

2014年以降2021年まで2兆円台前半で横ばい傾向でしたが、2022年に約2.6兆円とそこそこ大きく増加しています。

これは販売数が増加したというよりは(むしろ販売数は減少)、円安による為替の影響が主要因になります。2023年は販売数は継続減少し円安効果も減少見込ですが、値上げ効果で相殺し2022年並みの売上を見込んでいます。

  • 営業利益率:24.59%(22年12月期実績)

25%前後の高い営業利益率を10年以上キープしています。「食料品」業種の中でもトップクラスで非常に優秀な数値と考えます。

  • 自己資本比率:54.1%(22年12月期実績)

50%を越えており比較的優秀な自己資本比率となっています。今後金利が上昇した際は減益・減配のリスクは若干ありますが、倒産するリスクは低いでしょう。

  • フリーキャッシュフロー:直近10年でマイナス1回
  • 現金資産:直近配当の約3年分(22年12月期実績)

ここ10年でフリーキャッシュフローはマイナスが1回ありますが、営業キャッシュフローは常にプラスとなっています。

現金は2022年時点で約8670億円の残高があり、これは直近配当実績の約3年分と若干心許ない金額です。

営業キャッシュフローはプラスを10年以上キープしていますが、現金残高が配当と比較すると少な目で今後何らかの要因で一時的に利益が減少した際の減配リスクには注意が必要です。

事業内容


  • 海外事業比率:73.5%
  • 地政学的リスクがある国・地域での事業:ロシア(たばこ会社3社を買収)

事業内容は、タバコ販売で世界3位の規模になります。130ヶ国以上の国と地域で販売しており、販売比率は、2022年実績でAsiaが約35%、西ヨーロッパが約23%、その他地域が約42%となっています。

海外事業比率が高く、欧米での販売比率もそこそこあると思われますが、タバコという製品の性質上景気による販売への影響はそれほど大きく無いと考えらるため、今後海外の景気が悪くなった場合のインパクトの幅も小さいと思われます。

地政学的リスクとしては、ロシア事業があり2023年度見込で売上の約11%、営業利益の約25%を占めています。今のところ販売継続していますが、事業の運営のあり方についてグループ経営からの分離を含めた選択肢の検討しているとのことで、地政学的リスクはそれなりに高いと考えます。

  • 若年層依存度:なし

事業内容がタバコ販売となっており、特定の年齢層をターゲットとしたビジネスではないため、今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少ないと考えられます。

  • 景気敏感性:低い

ベータ値は執筆時点で「0.65」であり景気敏感性は低いと考えます。そのため、今後景気が悪化した場合の影響は抑えられるでしょう

まとめ

「配当水準」は配当利回りも非常に高く良好ですが、配当性向が高く配当方針も配当性向ベースのため減益した際は基本的に減配となる点は注意が必要です。

「財務指標」はほぼ問題はありませんが、現金残高が直近配当に比べて若干心許ありません。

「事業内容」ではロシア事業の地政学リスクに注意が必要です。一方景気敏感性は低いため、欧米の景気が悪化した際の減益・減配のリスクは抑えられるでしょう。

財務良好で倒産リスクも小さく、現状の配当利回りが非常に高く長期的にも平均以上の高配当が期待できるため、高配当投資の一角として検討に値するでしょう。

これから国内高配当株投資を始める方へ

高配当株式投資は、財務体質がしっかりした安定配当が期待できる企業への分散投資が重要です。分散を十分に効かせるためには最低でも数十社に分散させることが望ましいです。

そこで問題になってくるのが、「単元株数」です。

株式は、各銘柄ごとに100株/口等の売買の最低限の単元株数が決まっています。そのため、1回取引するたびに、最低でもこの単元株数分の株式を購入する必要があります。例えば、1株1000円で単元株数が100の株式であれば、1回の取引で最低でも1000円x100=10万円分購入する必要があります。

そのため、分散のため数十社分の株式を購入するとなると、1回で最低でも数百万円ぐらい必要になってきます。これでは、資産がまだそれほど多くない場合は心理的に購入を躊躇してしまいますし、時間を分散して何回かに分けて投資することも難しいでしょう。

そこで、おすすめなのがこの単元株数に満たなくても1株から購入できる単元未満株取引です。執筆時点でこの単元未満株取引に対応している国内ネット証券は「SBI証券」、「マネックス証券」、「楽天証券」、「auカブコム証券」の4社になります。

なかでも「SBI証券」、「マネックス証券」は買付時の手数料/スプレッドが「無料」のため特におすすめです。※売却時は一定の手数料が発生します

当サイトのコンテンツや情報において、可能な限り正確な情報を提供するよう努めておりますが、 必ずしもその内容の正確性および完全性を保証するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害について、一切責任を負うものではございませんのであらかじめご了承ください。

タイトルとURLをコピーしました