※本記事は2023年3月期決算発表時点の情報を元に作成してます
はじめに
結論
当サイト独断判定:B+(組み入れを検討したい)
配当水準 : Aー
利回り3%台(執筆時点)。過去10年増配傾向で減配も無し。配当方針は配当性向ベース(33%、下限85.6円)だが、直近配当性向は無理のない水準で、過去減配なく増配傾向であることを考慮すると減配リスクは低い。
財務指標 : B+
売上は過去10年増加傾向も一時減少し回復中。営業利益率は11%台と良好。自己資本比率は20%台だがリース業種としては低くはない水準。営業キャッシュフローは過去10年プラスで現金資産は余裕あり。
事業内容 : B
中国事業の地政学的リスクが一定程度あるが生産拠点は無く事業比率も低め。若年層に依存しないビジネスで、景気敏感性は高いが欧米事業の比率は大きくないため、今後欧米の景気が悪くなった場合のインパクトは限定的。
配当水準
- 配当利回り:3.6% (24年3月期予想)※執筆時点の株価ベース
日本株で高配当と言われる水準の3%を上回っていますので合格点です。
- 配当性向:33%(24年3月期予想)
- 配当金(絶対額): 直近10年増配傾向(減配無し)
配当金は2014年以降10年間で23円から85.6円まで増加傾向で減配もありません。
配当方針は配当性向ベース(33%)で下限を85.6円としています。
方針は配当性向ベースですが、配当性向は無理の無い水準で、過去減配も無く増配していること考慮すると今後も減配せずに安定配当の維持を十分期待できるでしょう。
財務指標
- 売上 : 過去10年増加傾向(一時減少し回復途中)
2014年からの10年間で、約1.4兆円から約2.6兆円に増加傾向ですが、2019年に大幅に減少し徐々に回復中です。
- 営業利益率:11.78%(23年3月期実績)
営業利益率は、過去10年は概ね11%~13%程度で推移しています。
「その他金融業」業種の中では決して高い利益率ではありませんが、一般的には良好な利益率でしょう。
- 自己資本比率:22%(23年3月期実績)
低い自己資本比率となっていますが、リース事業はリース資産の購入に必要な多額の資金を債務で調達するため自己資本比率が低くなる傾向があります。
同業他社と比べて特別低い水準ではなく、今後金利が上昇した際に一定の注意は必要ですが減益・減配のリスクは限定的と考えます。
- フリーキャッシュフロー:直近10年でマイナス6回
- 現金資産:直近配当の約13年分(23年3月期実績)
ここ10年でフリーキャッシュフローがマイナスが6回ありますが、営業キャッシュフローは常にプラスとなっています。
現金は2023年時点で約1.4兆円の残高があり、これは直近配当実績の約13年分とかなり余裕がある金額です。景気悪化等で一時的に利益が減少した際も、現金資産を取り崩して配当を維持することが可能でしょう。
事業内容
- 海外事業比率:24.8%
- 地政学的リスクがある国・地域での事業:中国・台湾(最大14.9%)
主な事業内容としてはリースを始めとした法人向け金融サービスの他、保険販売、不動産開発等も行っています。
ホームページに10社程度の中国・香港・台湾のグループ会社の記載があり、地政学的リスクが存在します。
売上比率はわかりませんが、製造業ではないため生産拠点は無く、中国を含む「その他海外」地域の売上比率も14.9%程度でその中のさらに一部と考えると中国の地政学的リスクはそこまで大きくはないと考えます。
米国事業が9.8%ありますが、事業比率が低いため今後欧米の景気が悪くなった場合のインパクトは限定的でしょう。
- 若年層依存度:なし
法人向け金融サービス等が主な事業で、若年層に偏ったビジネスではないため今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少ないと考えられます。
- 景気敏感性:低い
ベータ値は執筆時点で「1.28」であり景気敏感性は高いですが、欧米事業比率が低いため欧米の景気が悪化した場合の影響は限定的でしょう。
まとめ
「配当水準」と「財務指標」は大きな問題はありません。
「事業内容」に中国事業の地政学的リスクがありますが、生産拠点は無く、事業比率も低めのためリスクは限定的でしょう。
地政学的リスクが若干ありますが、基本的には財務も良好で倒産リスクも小さく、長期的には安定した高配当が期待できるため高配当投資の一角として検討に値するでしょう。
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