※本記事は2023年7月期2Q決算発表時点の情報を元に作成してます
はじめに
結論
当サイト独断判定:Aー(前向きに組み入れを検討)
配当水準 : Aー
利回り3%台(執筆時点)で過去10年以上連続増配で減配無し。配当方針は配当性向ベース(50%~60%)で、直近配当性向は50%台で若干高めだが、10年以上連続増配中であり減配リスクは低い。
財務指標 : A
売上は10年以上連続増加しており営業利益率は20%台で非常に高い。自己資本比率は80%台、有利子負債もゼロで非常に優秀。営業キャッシュフローは過去10年プラスで現金資産も十分。
事業内容 : A
若年層に依存しない国内中心のビジネスで景気敏感性も低い。
配当水準
- 配当利回り:3.4% (23年7月期予想)※執筆時点の株価ベース
若干物足りないですが、日本株で高配当と言われる水準の3%は上回っていますので合格点です。
- 配当性向:57.5%(23年7月期予想)
- 配当金(絶対額): 過去10年以上連続増配(減配無し)
配当金は過去10年で、34円から42円と少しずつではありますが減配無く連続増配しています。
配当方針は配当性向ベース(50%〜60%)になります。
直近の予想配当性向は50%台後半で若干高めですが、過去10年以上減配無く連続増配中である事と、後述の財務状況を考慮すると、今後も減配せずに緩やかに増配していくことが期待できるでしょう。
財務指標
- 売上 : 過去10年連続増加
2013年の約27億円から2022年の約31億円まで緩やかに安定して毎年増加しています。
- 営業利益率:22.53%(22年7月期実績)
過去10年以上20%台の高い営業利益率をキープしています。
- 自己資本比率:82.3%(22年7月期実績)
80%を越えた高い自己資本比率で、有利子負債もゼロの無借金経営となっています。今後金利が上昇しても、それによる倒産や減益・減配のリスクはほぼ無いでしょう。
- フリーキャッシュフロー:直近10年でマイナス1回
- 直近配当の約10年分(22年7月期実績)
ここ10年でフリーキャッシュフローはマイナスが1回ありますが、営業キャッシュフローはプラスを10年以上キープしています。
現金は2022年時点で約27億円の残高があり、これは直近配当実績の約10年分と十分な金額です。
営業キャッシュフローはプラスで現金残高も十分ありますので景気悪化等で一時的に利益が減少した際も、現金資産を取り崩して配当を維持することが可能でしょう。
事業内容
- 海外事業比率:情報なし
- 地政学的リスクがある国・地域での事業:情報なし
メーカー・卸間の電子データ通信・交換(EDI)を主な事業内容としています。決算資料やホームページ等で海外での事業についての記述は見つけられませんでしたので、海外事業はほぼ無いと考えて良いでしょう。
顧客の中には地政学的リスクや海外事業依存度が高い企業も存在するとは思いますが、国内1,000社以上を顧客としているとのことなので、そのリスクは十分分散されており地政学的リスクは小さく、今後海外の景気が悪くなった場合のインパクトの幅も小さいと思われます。
- 若年層依存度:なし
業態的に顧客のビジネスに依存すると考えられますが、先ほども述べたように国内1,000社以上を顧客としており、分散により特定の年齢層への偏りは低くなると考えられ、今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少ないと思われます。
- 景気敏感性:低い
顧客企業の景気敏感性に左右される業態ですが、ベータ値は執筆時点で「0.37」であり景気敏感性は低いと考えます。そのため、今後景気が悪化した場合の影響は小さいでしょう。
まとめ
「配当水準」、「財務指標」、「事業内容」ともに文句なく高配当株式投資に適した内容となっています。
配当利回りが3%台前半と若干物足りなさがありますが、それ以外は全く問題なく、よほどのことがない限り今後も安定した高配当を維持することが期待できるでしょう。
これから国内高配当株投資を始める方へ
高配当株式投資は、財務体質がしっかりした安定配当が期待できる企業への分散投資が重要です。分散を十分に効かせるためには最低でも数十社に分散させることが望ましいです。
そこで問題になってくるのが、「単元株数」です。
株式は、各銘柄ごとに100株/口等の売買の最低限の単元株数が決まっています。そのため、1回取引するたびに、最低でもこの単元株数分の株式を購入する必要があります。例えば、1株1000円で単元株数が100の株式であれば、1回の取引で最低でも1000円x100=10万円分購入する必要があります。
そのため、分散のため数十社分の株式を購入するとなると、1回で最低でも数百万円ぐらい必要になってきます。これでは、資産がまだそれほど多くない場合は心理的に購入を躊躇してしまいますし、時間を分散して何回かに分けて投資することも難しいでしょう。
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