※本記事は2024年3月期1Q決算発表時点の情報を元に作成してます
はじめに
結論
当サイト独断判定:B+(組み入れを検討したい)
配当水準 :Aー
利回り3%台(執筆時点)。過去10年以上連続増配中。配当方針は配当性向ベースだが、直近配当性向は無理のない水準で、過去減配なく連続増配中であることを考慮すると減配リスクは低い。
財務指標 : B
売上は過去9年連続して増加。営業利益率は19%前後で優秀。自己資本比率は40%台で比較的良好。フリーキャッシュフローは10年間プラスも、現金残高が直近配当の約2年分と非常に心許ない。
事業内容 : Aー
若年層依存度は無し。中国・台湾に多数拠点があるが、生産拠点は無いと思われるため地政学的リスクは大きくはない。海外事業は多くが国内顧客向けと思われ景気敏感性も低いため、今後欧米の景気が悪くなった場合のリスクは低い。
配当水準
- 配当利回り:3.4% (24年3月期予想)※執筆時点の株価ベース
若干物足りないですが、日本株で高配当と言われる水準の3%は上回っていますので合格点です。
- 配当性向:43.7%(24年3月期予想)
- 配当金(絶対額): 直近10年増加傾向(連続増配)
配当金は2014年以降10年間で43.33円から135円まで減配無く連続増配中です。
配当方針は配当性向ベース(40%超)となっております。
方針は配当性向ベースですが、配当性向は無理の無い水準で、過去減配無く連続増配していること考慮すると今後も減配せずに安定配当の維持を十分期待できるでしょう。
財務指標
- 売上 : 過去9年連続増加
2015年の約4.3兆円から2023年の約5.7兆円まで9年連続して増加しています。2024年も5.8兆円と増加予想となっております。
- 営業利益率:18.97%(23年3月期実績)
2016年以降は19%前後の利益率で安定しています。
「情報・通信」業種の平均となる8%前後と比較しても、一般的にも優秀な営業利益率でしょう。
- 自己資本比率:43.0%(23年3月期実績)
40%を越えていますので、優秀とまでは言えませんが問題無いレベルです。今後金利が上昇した際は減益・減配のリスクはありますが、倒産するリスクは低いでしょう。
- フリーキャッシュフロー:直近10年プラス
- 現金資産:直近配当の約2年分(23年3月期実績)
ここ10年でフリーキャッシュフロー、営業キャッシュフローともに常にプラスをキープしています。
現金は2023年時点で約4803億円の残高があり、これは直近配当実績の約2年分と非常に心許ない金額です。
フリーキャッシュフローはプラスをキープしていますが、現金資産が直近減少しており残高が配当と比較して少ないため、今後景気悪化等で一時的に利益が減少した際の減配リスクには注意が必要です。
事業内容
- 海外事業比率:不明
- 地政学的リスクがある国・地域での事業:中国、台湾
主な事業内容は、個人・法人向けの各種通信サービスの提供となっています。
ホームページに中国/台湾の拠点が27か所程度記載されていますが、製造業ではないため製造拠点はほぼ無いと思われるため、地政学的リスクはそこまで高くはないでしょう。
決算説明資料には海外事業に関する記述も多少ありますが、具体的な事業比率は不明です。
ただ、具体的な現地向けのビジネスについて言及しているのは、ミャンマー・モンゴルぐらいしか見つからず、多くは国内顧客を中心とした国際通信事業が中心と思われます。
そのため、今後欧米の景気が悪くなった場合のリスクも低いと思われます。
- 若年層依存度:なし
各種通信サービスの提供が主な事業内容であり、若年層に偏ったビジネスではないため、今後の少子高齢化進行に伴う売上への影響は少ないと考えられます。
- 景気敏感性:低い
ベータ値は執筆時点で「0.29」であり景気敏感性は低いと考えます。そのため、今後景気が悪化した場合の影響は抑えられるでしょう。
まとめ
「配当水準」は良好ですが、「財務指標」で現金残高が心許無く減配リスクに注意が必要です。
「事業内容」は若干の地政学的リスクがありますが、大きな問題はありません。
減配リスクは若干存在しますが、財務は基本的には良好で倒産リスクも小さいため、長期的に安定した高配当が期待できるため高配当投資の一角として検討に値するでしょう。
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